第124回   「大原 食の地理学」

 要旨

今回は京都市左京区大原にて実習を行いました。赤紫蘇畑や鯖街道と地形・地質の関係や大原の歴史や生業について学習し、大原から岩倉へ峠越えをしながら地質や植生を観察しました。

 案内者

水野一晴自然地理研究会主宰、京都大学名誉教授) 福山一茂(京都大学文学部地理学専修4回) 前岡大貴(京都大学文学部地理学専修3回)

 野外実習の概要

日時
2023年5月27日(土) 9:00〜
場所
京都市左京区大原,岩倉
参加者
17名(学部生6名 [文4,法1,立命館1], 院生8名[AA5,文2,人環1], 元教員2, 社会人1)
行程
大原バス停集合(9:00)→赤紫蘇畑→京漬物店「志ば久」→三千院→鯖街道→惟喬親王墓→里の駅大原→登山口→寒谷峠→瓢箪崩山往復→聖護院門跡長谷廟所→岩倉村松→打ち上げ(BBQ)→解散

 報告

9時に大原のバス停で集合し、簡単な自己紹介とスケジュールの説明を済ませた後、三千院周辺を散策しました。


赤しそ畑では水野先生が大原の地形と気候が赤しその栽培に適していることを解説されました。赤しその生育には、段丘面上の礫の堆積による水はけの良さと、盆地の冷気湖によって生じる霧「小野霞(おのがすみ)」が重要であることが説明されました。


赤しそを使ったしば漬けが大原の名産です。説明を受けたあとだと漬物を見る目も変わります。


三千院は拝観は行いませんでしたが、地形を巧みに生かして諸堂を造営したことを解説しました。


大原は京都と若狭(福井県)を結ぶ街道である通称「鯖街道」沿いにあり、古くから多くの人が往来しました。鯖街道は若狭で獲れた鯖を京都に運んだことから名づけられ、花折断層に沿って一直線に続いています。鯖街道沿いには平安時代の親王である惟喬親王の墓もあり、墓のある斜面は断層崖であると考えられています。


里の駅大原でお弁当などを購入したあと、登山口で腹ごしらえ。いよいよ寒谷峠・瓢箪崩山に向かいます。


寒谷峠・瓢箪崩山は大原と岩倉の間にあり、斜面はやや急でしたが比較的短時間で越えることができます。途中で植生についての解説を行いました。


麓には聖護院門跡の廟所があり、かつて長谷村が聖護院の所領であった名残といえるでしょう。


下山後は恒例のバーベキュー!みなさまお疲れ様でした!

京都大学自然地理研究会

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