第122回  「宝が池での野鳥観察」

 要旨

今回の自然地理研究会では,約3年ぶりに野鳥観察の実習を行いました.場所は京都市内の宝が池公園で,水鳥や森林性の小鳥を観察することができました.双眼鏡の使い方に加え,観察した鳥のクチバシをスケッチすることで,採餌の違いによる野鳥の形態の変化についての理解を深めました.

 案内者

前畑晃也(京都大学アフリカ地域研究資料センター 特任研究員)

 野外実習の概要

日時

2022年2月11日(土)

場所
宝が池公園(京都市左京区)
参加者
13名(学部生7名[文4,法1,教1,農1] 院生3名[AA3] 研究員1 教員1 元教員1)
行程
叡山電車宝ケ池駅に集合(9:00)→観察実習(〜昼頃)→宝が池のほとりで昼食(昼頃)

 報告


前畑さんから双眼鏡の使い方を教えていただきました.報告者は今まで姿勢や初期設定の方法など,双眼鏡の正しい使い方を今まで知らなかったので,たいへん勉強になりました.さて,鳥類は飛行のために身体を軽量化させている一方で,エネルギーを大量消費するため,朝にはほとんどが飢餓状態になるそうです.そのため,朝に採餌行動を積極的にしなければならないので,必然的に野鳥観察に適した時間は午前中になります.


野鳥観察が始まりました.ハクセキレイです.この鳥は市街地でも割とよく見かけますね .


ジョウビタキのオスです.ジョウビタキの「ジョウ」とは,「尉」すなわち老翁のことであり,頭の銀色の部分が白髪に見立てられてこのように名付けられたそうです.


この写真の中に野鳥がいますが,皆さんはわかりますか?


実はここにイカルチドリが,それも二羽もいます.巧みな擬態術ですね.


疏水でもよく見かけるオオバンです.カモ類のようにも見えますが,くちばしの形が全く違います.オオバンはクイナの仲間です .


宝が池のカモたちです.宝が池では,マガモ,カルガモをはじめとして多くのカモ類を観察することができました.


野鳥ではないですが,ニホンジカです.京都周辺の山野で野草を食い荒らすことで悪名高いですが,宝が池公園にも出没するのですね.植樹が食い荒らされないように頑強なネットが張られていました.


羽を乾かしているカワウです.カワウのくちばしは鉤状になっており,捕まえた魚を逃がさない形になっています.


お昼ご飯を食べて宝が池の前で集合写真を撮影しました.お疲れ様でした.

◆宝が池公園で見聞きした野鳥(計24種)マガモ,カルガモ,ホシハジロ,ミコアイサ(♀),カイツブリ,キジバト,カワウ,コサギ,オオバン,イカルチドリ,イソシギ,トビ,ハイタカ,コゲラ,ハシボソガラス,ハシブトガラス,シジュウカラ,イワツバメ,ヒヨドリ,ジョウビタキ(♂),イソヒヨドリ(♀),スズメ,ハクセキレイ,セグロセキレイ 

◆その他アカハジロ×ホシハジロ(雑種),アヒル(家禽),ドバト(家禽),ニホンジカ


京都大学自然地理研究会

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