第119回「伏見桃山・深草エリア」

 要旨

 京都一周トレイル東山コースの一部である伏見桃山・深草エリアを中心とした巡検を実施しました。植生に関しては、伏見城運動公園でどんぐりの観察を行い、大岩山で竹林について学習しました。伏見城下町や大岩神社など当地の歴史面にも触れつつ、産業廃棄物問題など都市部と自然の狭間で発生する現象について学習しました。さらに、今回は京都ネイチャーツアーさまの助力もいただき、実りのある巡検となりました。

 案内者

武本沙綾(京都ネイチャーツアー) 小林詩月(京都ネイチャーツアー) 戎日陽生(京都ネイチャーツアー) 吉野月華(京都大学アジア・アフリカ地域研究研究科) 神品芳孝(京都大学大学院文学研究科) 岡田陸太郎(京都大学文学部)

 野外実習の概要

日時
2021年10月31日(日)
場所
京都府京都市伏見区
参加者
20名(学部生7名[文6、総人1]、院生9名[ASAFAS5、文3、学舎1]、教職員1名[文1]、 京都ネイチャーツアー3名)
行程
京阪伏見桃山駅集合→御香宮神社にて要旨説明・見学→伏見桃山城見学→大岩山展望台にて昼食→大岩神社参拝→稲荷山→伏見稲荷大社解散

 報告

京阪電車の伏見桃山駅で集合し、御香宮神社にて今回の要旨説明と自己紹介を行いました。今回は京都一周トレイルの深草コースに従って巡検をすすめていきます。

御香宮神社では桃山時代の建築装飾を見学しました。また、「御香水」と呼ばれる湧水を味わいつつ、京都近傍を流れる地下水について学習しました。

伏見城の歴史に触れつつ、横町型城下町の典型例である伏見の町の構造について理解しました。

どんぐりの収集スポットとして知られる伏見桃山城運動公園でどんぐりの観察を行いました。

大岩山へ足を進めていきます。大岩山は現在に至るまで建設残土などの産業廃棄物が不法投棄されて問題となっており、近年はそれらが原因となって土砂崩れも発生しました。

大岩山では竹林が優勢ですが、所有者によって手入れの度合いはまちまちです。これにつけて、日本に生息する竹について学ぶとともに、手入れにも費用がかかるために日本の竹林が荒廃している現状について確認しました。

大岩山展望台に到着し昼休憩としました。ネイチャーツアーさまが用意してくださったコーヒーでホッと一息。

展望台にて集合写真も撮影しました。

大岩神社を見学します。御神体の石と堂本印象が寄進した独特な鳥居が「印象」的でした。

大岩神社から下っていくと「◯◯大神」と記された墓石のような石が目につきます。これらは、維持管理できなくなった神社や祠の神々をここでまとめて祀ったものと思われます。

トレイルコースはここで府道35号線に合流します。ここはかつての東海道本線が地盤の問題で東山トンネルを建設できなかったために迂回していたところで、緩やかな道路の曲線に鉄道の跡を感じることができます。

稲荷山に入ると白菊の滝、青木の滝、弘法の滝と名付けられた人工滝が現れてきます。これらの滝は修行に用いられているそうです。

伏見稲荷大社に至り、今回の行程が無事終わりました。お疲れ様でした。

京都大学自然地理研究会

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