第117回「愛宕山の自然と歴史」

 要旨

 愛宕山は、京都屈指の信仰の山です。今回の巡検では、愛宕山登山を楽しみながら、植生や地質の観察と歴史的遺構の見学を行いました。愛宕山で見られる代表的な樹木などの植生や地質を観察し、歴史的遺構については、戦時中に廃線となった愛宕山鉄道の遺構を見学しました。また、「火迺要慎(ひのようじん)」のお札でよく知られる愛宕神社にもお参りしました。

 案内者

 吉野月華(京都大学アジア・アフリカ地域研究研究科) 塚本まゆ子(京都大学人間環境学研究科) 重永瞬(京都大学文学部地理学専修)

 野外実習の概要

日時
2021年5月30日(日)
場所
京都府 愛宕山
参加者
25名(学部生13名[文10、法1、奈良文1、和歌山観光1]、院生9名[ASAFAS 5、文2、人環1、情報1]、教職員2名[文1、森里海1]、)OB/OG1
行程
JR嵯峨嵐山駅集合→野々宮からバスで愛宕山麓、清滝へ移動。要旨説明、自己紹介→登山開始。植生観察、岩石の観察→愛宕駅見学→山頂に到着。昼食。愛宕山の歴史と文化について説明→愛宕神社参拝→下山開始。植生観察、岩石の観察→清滝へ到着→解散

 報告

朝9時にJR嵯峨嵐山駅に集合して、バスで愛宕山麓、清滝へ。適宜休憩をはさみながら、頂上を目指します。

台風の余波は、京都近辺の山でもまだ残っています。

水野先生が、ヒノキとサワラの見分け方を教えてくれました。これは、裏に白いYがあるのでヒノキです。

愛宕神社で神事に使用される植物が、この「シキミ」です。登山道でも確認できました。

これは頁岩です。愛宕山で確認できる主な地質として、チャートと頁岩が挙げられます。本のページのように薄く剥がれる頁岩が多くみられるのは、山頂付近です。頁岩が熱変性を受けると、比叡山の山頂付近で多く見られるホルンフェルスとなります。

水尾分れから登山道を逸れ、戦前に清滝と愛宕山山頂付近の間を運行していた、「愛宕山ケーブル」の遺構を見学しました。こちらはケーブルの廃線後も山頂付近に残っている「愛宕駅」です。

草に覆われた遺構の前で、集合写真です。

愛宕神社の黒門までたどりつきました。

愛宕神社のシンボルとなっている動物はイノシシで、神社のいたるところで確認できます。

神社前でも記念写真を撮りました。

綺麗な分水嶺です。

3密状態での活動は制限される中での実施とはなりましたが、最大限の工夫をして、屋外で安全に登山が出来ました。植生や地質、信仰、歴史と幅広く学べた研究会でした。皆様お疲れ様でした。

京都大学自然地理研究会

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