第116回「京大周辺の自然観察:比叡山の地形・植生」

 要旨

 今回は京大生にとって身近な山である比叡山を歩き、植生や地質の観察を行います。また、門前町の坂本にある日吉大社を散策します。 植生については比叡山で見られる代表的な樹木を観察し、この時期だけ観察できる発芽直後の幼木を観察します。また、地質については比叡山を構成する花崗岩とホルンフェルスを観察し、地質と地形の関係について説明します。頂上付近からは、京都市内及び琵琶湖の景観を概観する予定です。

 案内者

神品芳孝(京都大学大学院文学研究科),伊藤駿介(京都大学工学部),清池祥野(京都大学文学部)

 野外実習の概要

日時
2021年4月25日(日)
場所
滋賀県大津市、京都府京都市
参加者
23名(学部生13[文9、工2、和歌山大(観光)2]、院生8[文5、人環1、ASAFAS 2]、OBOG1、教職員1[文1])
行程
09:00 JR比叡山坂本駅に集合→09:15 坂本を散策→10:00 比叡山登山口 登山開始!→12:30 比叡山延暦寺拝観→13:30 山頂付近で昼食→14:30ごろ 下山開始(ケーブルカー利用予定)

 報告

朝9:00に比叡山坂本駅に集合し、自己紹介と趣旨説明をしたあと、日吉大社を目指しつつ坂本の門前町を散策しました。道中、穴太衆が作った石垣をそこら中で見ることが出来ました。穴太衆とは「野面積み」という自然の石を積み上げるスタイルの石垣を作るプロフェッショナル集団としてあまりに有名です。

日吉大社では、もみじが多くあり、もみじの幼木が至る所に生えていました。さらに、日吉大社には神猿と書いて「まさる」と読み、「魔が去る」「勝る」などを連想させるような縁起のいいお猿さんがいました。ほら、門の上のこんなところにも!

さて、日吉大社を出て比叡山を登り始めます。途中に琵琶湖が見える場所があったので、ここで「琵琶湖コールドロンモデル」について学びました。これは琵琶湖がカルデラのようにして形成されたことを説明しています。この場所から見える眺望から琵琶湖側は急な斜面で断層崖になっていることが確認できました。

登山の途中には様々な興味深い植生が見られます。植生についても何度か説明がありました。植生や地質に関するレクチャーを受け、時には質問も飛び交い、充実した時間でした。ソーシャルディスタンスを保ちながらどんどんと登っていきます。

長い道のりを歩き、やっと根本中堂に到着しました。この根本中堂と書かれたオブジェには泥岩のホルンフェルス、頁岩のホルンフェルス、花崗岩という違う種類の岩が積み上げられて出来ています。ここでどれがどの岩でしょうかクイズが行われました。その後は比叡山の水源のある場所に移動し、あのブラタモリの回では特集されなかった比叡山の水源についてのレクチャーを受けました。

比叡山で最も景色のいい場所のひとつに到着したので、ここでソーシャルディスタンスを保ちながらお昼ご飯にしました。毎回恒例の写真撮影は、できるだけ声を出さない、マスクをするなどの工夫をしながら行いました。

久しぶりに比叡山に登ると、某BE K○○Eのようなモニュメントが設置されているのを発見したのでここでも写真撮影をしました。

最後は京都側のケーブルカーを使って下山しました。

打ち上げは感染症防止のため中止しましたが、地質や植生、歴史など多分野にわたって勉強でき、非常に充実した時間でした。3密の状態での活動は制限される中での実施とはなりましたが、最大限の工夫をして屋外で安全に登山が出来ました。

皆様お疲れ様でした。

京都大学自然地理研究会

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