第98回 都市大阪・凸凹地形散歩

 趣旨

太古の時代、大阪平野の大部分が海でした。その中心部に半島として存在していたのが上町台地であり、そこに大阪城が建設されました。大阪には数多くの魅力的な地形と高低差があります。また、地形の歴史は都市大阪の発展とも強く結びついています。今回の実習は、大阪の地形史を最新の古地形図を見て学び、かつての河内湾の名残を見学し、上町台地を中心とした大阪の高低差を実際に歩いて体感しながら、その魅力を再発見するというものです。

 案内者

芝田 篤紀(京都大学大学院文学研究科D1)

石崎 楓(京都大学文学部B3)

金森 直哉(京都大学文学部B1)

 野外実習の概要

日時
2016年7月30日(土)
場所
大阪府門真市、大東市、大阪市、天王寺周辺
参加者
17名(学部生9[文7、経1、法1]、院生4[文2、AA研1、神戸大学1]、教職員2[文2]、社会人2)
行程
京阪本線萱島駅に集合→弁天池公園→深北緑地→JR四条畷駅から大阪城へ→大阪城周辺散策(昼食)→大阪歴史博物館→天王寺・阿倍野→新世界で打ち上げ

 報告

今回の巡検は大阪で行いました。午前9時に京阪本線萱島駅に集合し、まずは弁天池公園に向かいます。

弁天池公園に到着した後、大阪平野の変遷について、案内人から解説がありました。大阪平野は、縄文時代にはその大半が海(河内湾)でしたが、弁天池はその名残なのです。

次に深北緑地を散策しました。弁天池の他、ここにある深野池も、河内湾の名残池です。この2か所を除き、かつての河内湾は海面低下や埋め立てですべて陸地になっています。

大阪平野が海だったころ、上町台地は半島でした。その上町台地の最先端に築かれたのが大阪城です。大阪城に着いて昼食をとり、集合写真を撮影しました。その後、大阪歴史博物館を見学しました。常設展示で各時代の大阪について知り、特別展「都市大阪の起源を探る」では最新の古地形図を見ました。さらに、難波宮遺跡ギャラリーに関してガイドの方から解説していただきました。

古墳時代の大型倉庫(復元)の中で撮影した写真です。この復元倉庫以外にも、地下に残る遺構を展示したり、遺構の柱穴の位置を床の模様で表示したりと、様々な趣向を凝らしてあり、とてもわかりやすく面白い解説でした。

博物館を発ち、天王寺・阿倍野に来ました。地形の高低差により坂が多く、縄文海進時の海食崖も見られるこの地域を散策したことで、大阪の地理的特性を実感できたと思います。

新世界に到着し、串カツ屋で打ち上げをしました。参加したみなさま、一日お疲れ様でした。

京都大学自然地理研究会

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