第28回 遺跡にみる自然環境の変遷と人間活動の対応関係の検討#2
趣旨
「遺跡にみる自然環境の変遷と人間活動の対応関係の検討」に関する野外実習
講師
- 宮本真二(琵琶湖博物館)
- 森山宗保(守山市教育委員会)
- 小野映介(名古屋大学・院)
- 川畑和弘(守山市教育委員会)
概要
- 日時
2005年5月15日(日) 午前10時−午後5時
- 場所
- 参加者
報告
「第28回 遺跡にみる自然環境の変遷と人間活動の対応関係の検討」の続き
環濠の中には、弥生時代の遺構が見られます。
弥生時代の地層から、粘土質の土層の塊を取り出し、それを水で洗って、弥生時代の遺物を調べます。
土の塊を篩いに入れて、水で洗います。
弥生時代の木の枝や葉っぱ、木の実などが出てきます。
葉っぱとドングリが見えます。これらの葉っぱは顕微鏡で見て、弥生時代にこのあたりがどんな植生に覆われていたかを推測します。
これまで弥生稲は朝鮮半島や中国大陸から伝わった品種「温帯ジャポニカ」と考えられてきましたが、ここでは、現在の日本では栽培されていない「熱帯ジャポニカ」がたくさん出土しました。下之郷遺跡の熱帯ジャポニカは東南アジアや南西諸島からもたらされた可能性が高くなりました。さらに、環濠の中から、ゲンゴロウブナの頭の骨がたくさん見つかっています。見つかったゲンゴロウブナは産卵のために遺跡周辺にのぼってきたところを弥生人に捕らえられ、頭とエラ、内臓が環濠の中に捨てられたと考えられています。
こちらは、弥生時代の遺物よりも、弥生時代を含めた地層に興味ある人たちです。
地層を観察し、過去の環境変遷を復元します。
野外実習を終え、これから温泉で汗を流し、それから打ち上げです。お疲れ様でした。講師の方々、どうもありがとうございました。
京都大学自然地理研究会
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