特別編 自然地理研究会10周年記念の会#3

 趣旨

自然地理研究会は、2001年の発足から今年で10周年を迎えました。これを祝して、このたび10周年記念の会を催しました。OBの方を招き話題提供をしていただいたり小実習を行ったほか、これを節目として、これまでの研究会の歩みを振り返った上で今後の研究会の方向性についてなどのディスカッションも行いました。

 会全体の概要

日時

2011年6月11日(土)−12日(日)

場所
和歌山県西牟婁郡白浜町
参加者
24名 (学部生8 [文2;医1;工1;名古屋大学-医1;大阪大学-外国語1;立命館大学-文1;奈良大学-文1]、 院生10 [農1;人環1;AA研7;地環1]、 教職員4 [農1;AA研2;甲南大学-文1]、 その他2)
行程
6/11(土)

京都駅八条口集合、出発→三段壁バス停到着→自由時間(昼食・お土産)→小実習:三段壁見学→温泉入浴→白浜海の家到着→自由時間(見学)→夕食→OB話題提供→ディスカッション&懇親会

 

6/12(日)

海の家出発→小実習:臨海周辺散策小実習:千畳敷見学→昼食→自由時間(見学)→白浜バスセンター出発→大阪駅桜橋口到着、解散

 小実習の概要

テーマ

海岸地形から見る南紀白浜の地質

案内者

  • 瀧口正治(京都大学修士(理学)、自然地理研究会OB)
  • 田村茂樹(京都大学修士(理学))

 OB話題提供の概要

話題提供者
題目

ラオスの自然と焼畑&自然地理研究会

 報告

特別編 自然地理研究会10周年記念の会#2」の続き

 

さて、研究会のこれまでを振り返った後は研究会のこれからのお話です。この場で研究会の中心として働く世話人の世代交代も果たし、次代の研究会を担う学部生の学生を中心に議論を進めました。財団法人国際花と緑の博覧会記念協会の助成を受けて進めている朽木谷での調査プロジェクトについて紹介も行い、特にこのプロジェクトを足掛かりとした今後の展望なども話し合いました。全体の議論が終わっても、少人数に分かれての議論は深夜に及びました。

 

翌朝眠い目をこすりながらも、みんな協力し朝食や掃除をてきぱきと済ませ、改めて実験所周辺の地形や地質をみんなで観察しました。

番所の崎の周囲は海食崖に囲まれ、きれいに層をなした砂岩や礫岩の露頭が観察できました。写真は砂岩と礫岩の不整合を観察しているところです。

 

この日は雨も収まっていたので、前日あきらめた千畳敷の見学に向かいました。少しバスの発車まで時間があったため、円月島を眺められる海岸沿いの道を一つ先のバス停まで歩いて行きました。

千畳敷は新第三紀の堆積岩からなる広大な砂岩泥岩互層です。岩が軟らかいため波に削られ複雑な地形を形作っています。砂岩と泥岩が交互に積み重なっており、より浸食されやすい泥岩部分から削られていき、上面に見えているのはほとんどが砂岩です。

 

一足先に帰る案内者の瀧口さんをみんなで送った後はバスセンターまで戻り、近くのお店で昼食をいただきました。そのあとは高速バス出発まで再び自由時間を取りました。この時にオプションとして、天然記念物の泥岩岩脈の見学も行いました。

写真で直線的に切れたように見える部分が岩脈で、これはもともとあった砂岩が地震で裂けたその裂け目に、液状化した泥が噴出し固結してできたものとされています。泥岩岩脈は周りの砂岩よりも侵蝕に弱いため、抉れて見えています。

白浜バスセンターで高速バスに乗る前に、締めのご挨拶となりました。あいにくの天候により当初の予定の変更を余儀なくされましたが、全員の協力もあって最終的には盛りだくさんの内容の、10周年にふさわしい充実した会になったかと思います。みなさんお疲れ様でした!

そしてこれからも自然地理研究会をよろしくお願いします!!

千畳敷にて記念撮影

京都大学自然地理研究会

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