第83回 沈水海岸と天然の良港#2
趣旨
「天然の良港」と称される福井県小浜市は、かつて京の都と鯖街道を経由してつながり、京都の外港として発展しました。その港町としての発展を支えた要因に、発達した入江・溺れ谷を伴う変化に富んだリアス式海岸が挙げられます。今回の実習では、その海岸地形を、海蝕洞である「蘇洞門」や海跡湖である「三方五湖」などを巡検しました。
案内者
- 通山絵美(大阪大学言語文化研究科研究生)
- 井出健人(京都大学文学研究科M1)
- 露木啓悟(京都大学アジア・アフリカ地域研究研究科M1)
野外実習の概要
- 日時
- 2013年10月27日
- 場所
- 福井県小浜市・若狭町・美浜町
- 参加者
- 13名 (学部生4 [文2;奈良大学 -文1;大阪大学 -文1]、 院生6[AA研4;文1;総合生存学館1]、 教職員・聴講生など 3[AA研1;地球環境学舎1;大阪大学‐言語文化研1)
- 行程
京都大学稲盛財団記念館集合→途中、滋賀県「道の駅くつき新本陣」にて買い出し→小浜市到着→鯖街道資料館→昼食→内外海半島→三方五湖→京都へ
報告
「第83回 沈水海岸と天然の良港」の続き
予定を変更して、海蝕洞である蘇洞門が位置する内外海半島の山上へ向かいました。山地が沈降して海中に沈みリアス式海岸が形成され、その後河川沿いにわずかながらに堆積平野が形成されていることが見受けられます。小浜の市街地は、その堆積平野に位置しています。
山地が沈降した様子がよく分かる1枚です。
台風一過の秋晴れを背景に集合写真を撮影しました。
つづいて、三方五湖へ向かいました。三方五湖はかつては3つの独立した河谷系でした。断層運動による複雑な隆起・沈降、そして流入河川の断絶などが生じた結果、結果、水深数メートルから40メートルまでの、多様な自然環境をもつ湖沼群が形成されました。
最南端の三方湖は、水面積では三方五湖のうちでも大規模ですが、断層をはさみ隆起した地盤上に位置し、河川流入によって土砂が湖底に堆積することから最高水深3メートルと浅くなっています。その三方湖を背景に集合写真をもう1枚撮影しました。
京都へ帰る途上で、花折断層の断層運動に関する解説を聞いているところです。
今回の打ち上げはバーベキューです。寒くなってきましたが、みなさんお疲れ様でした!
京都大学自然地理研究会
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