第72回 京大周辺の自然観察:比叡山の地質と植生

 趣旨

今回は京大生にとって身近なフィールドである比叡山を歩き、植生や地質の観察を行いました。植生については比叡山で見られる代表的な樹木を観察し、「二次林」と「人工林」それぞれの特徴などを学びました。また、地質については比叡山を構成する花崗岩とホルンフェルスを観察し、地質と地形の関係について説明しました。頂上付近からは市内及び琵琶湖の景観を概観しました。

 案内者

  • 田中孝明(工学部)
  • 井出健人(文学部)
  • 中三川洸太(立命館大学文学部)

 野外実習の概要

日時

2012年4月29日(日)

場所
京都市左京区
参加者
10名 (学部生7 [文2;工1;総1;農1;立命館大学-文1;大阪大学-文1]、 院生2 [文1;地環1]、 教員1 [AA研1])
行程
09:00 叡山電車出町柳駅改札前に集合

09:15 出町柳駅から叡山電車で修学院駅へ移動

09:30 修学院駅出発

10:00 修学院登山口到着、音羽川の砂防ダムを見学して登山道へ

12:00 山腹で昼食

13:00 山頂へ向けて出発

14:00 ケーブル比叡駅に到着

14:30 比叡山頂付近に到着

15:00 八瀬方面へ下山開始

  途中、ケーブルカー、叡山電車を使って移動

17:00 打ち上げ@百万遍

 報告

今回の自然地理研究会は、京都大学のすぐ近く、比叡山の植生・地質を観察しに行きます。

比叡山の登山口へは、出町柳駅から叡山電車で移動します。今回の登山は、白川通から比叡山に向かって西側の登山口、「雲母坂」から始まります。

「雲母坂」を流れる音羽川です。そこに堆積している白い砂は、「真砂」といい、花崗岩が風化してできたものです。「白川」の由来の一つにもなっているこの砂ですが、これから登る比叡山の花崗岩が侵食されたものが運搬されてできたものです。

登山口で一枚。「雲母」と書いて「きらら」と読みます。花崗岩を構成するのは、「石英・長石・黒雲母」。その「雲母」です。

登り始める前に、今日の概要を説明します。今回は、山体の下部が花崗岩質、上部が接触変成岩であるホルンフェルスから構成される比叡山の地質の違いを観察します。また、登山道沿いの植生から、二次林と人工林の特徴の違いなどを観察します。

音羽川には砂防ダムが設けられています。花崗岩は風化しやすく、真砂の流れる量が多かったためにかつては水害が頻発していました。

登山開始です。下部は花崗岩質で侵食を受けやすいため、人の往来などで登山口が大きくえぐれているのがわかります。

花崗岩の風化の様子がよくわかります。

第72回 京大周辺の自然観察:比叡山の地質と植生#2」へ続く

京都大学自然地理研究会

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