第55回 植生調査法@朽木#2
趣旨
滋賀県北部の朽木谷で、植物(特に樹木)の観察・同定方法と、植生調査法の実習を行います。具体的には、?樹木の種名の調べ方、記載の仕方、?地形などの環境条件と植物の対応関係の調査法(トランセクト調査)を勉強します。
案内者
- 手代木功基(京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科)
- 田中孝明(京都大学工学部)
座学の概要
- 日時
2010年5月14日(金)
- 場所
- 参加者
野外実習の概要
- 日時
2010年5月16日(日)
- 場所
- 参加者
- 行程
その後、樹木同定等の説明・実習→昼食→植生調査開始→終了。
その後、調査結果をまとめる→「朽木いきものふれあいの里」を出発
→京都着(途中、くつき温泉てんくうにて入浴)→打ち上げ(水野邸@岩倉)
報告
「第55回 植生調査法@朽木」の続き
A班(2つ上)とB班(1つ上)。みなさん真剣です。
こちらはC班とD班です。
調査のあとは、各班で調査結果のまとめを行いました。地形断面図に沿った植生を、方眼用紙に記載します。その後、発表会を行って、全体の議論を行いました。
各班の調査結果をまとめた図は以下の通りです。
これらの結果をもとに、この場所ではコナラ林が広がっていることや、部分的にアカマツ林がみられること、川沿いとその上の斜面とでは植生が大きく異なっている要因に関して議論しました。コナラやアカマツは、定期的な伐採や落ち葉掻きなどの人為的影響を受けることによって成立する二次林の代表的な構成種です。実習では根元から幹が分かれている(株立ち)コナラが複数見られましたが、これはかつて伐採され、その後切り株から出てきた多数の芽(萌芽)のうちの何本かが成長したものだと考えられます。また、コナラやマツのサイズはほぼ一定であったので、ある時期から人の手が入らなくなったことが推定されます。森を一見すると、人為の影響などないようにも見えますが、実は日本の植生の多くが人間活動と深く関わっているのです。
野外実習で汗を流した後は、温泉に入り、その後は恒例のバーベキューです。 学部生や院生といった垣根なく、様々な話で盛り上がりました。
温泉前での記念写真。
お疲れ様でした。
京都大学自然地理研究会
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