第48回 紀伊山地の自然環境と修験道#5

 趣旨

大峰山脈は、紀伊半島中央部に位置する南北に伸びる山系です。地質学的には西南日本の外帯に当たり、穏やかな山並みが連なる京都周辺の内帯とは違い、急峻な山地が形成されています。主峰の八経ヶ岳は近畿地方最高峰(1,915m)に当たり、亜高山帯植生であるシラベやトウヒ、山地帯の代表種であるブナを抱えています。一方で、大峰は急峻な地形がもたらす険しさから修験道における修行の場とされ、千年以上にわたり人々に登られてきました。本実習ではこれらの要素を踏まえ、紀伊山地の地質・地形、植生、修験道の概要を学びます。

 案内者

  • 通山潔(医学部B1)【地質・地形担当】
  • 田中孝明(工学部B1)【植生担当】
  • 竹内明史(農学部B2)【修験道担当】 *座学のみ資料参加

 座学・ミーティングの概要

第1回

日時

2009年10月13日(火)

場所
京都大学稲盛財団記念館
参加者
11名 (学部生5 [法1;医1;工1;農2]、 院生4 [理1;農1;人環1;AA研1]、 教員1 [AA研1]、 その他1)

  

第2回

日時

2009年10月20日(火)

場所
京都大学稲盛財団記念館
参加者
11名 (学部生4 [法1;医1;工1;農1]、 院生5 [理1;農1;人環1;AA研2]、 教員1 [AA研1]、 その他1)

  

第3回

日時

2009年10月23日(金)

場所
京都大学稲盛財団記念館
参加者
9名 (学部生4 [文1;法1;医1;工1]、 院生4 [理1;農1;人環1;AA研1]、 教員1 [AA研1])

 野外実習の概要

日時

2009年10月24日(土)−25日(日)

場所
紀伊山地
参加者
10名 (学部生4 [文1;法1;医1;工1]、 院生4 [理1;農1;人環1;AA研1]、 教員1 [AA研1]、 その他1)
行程
10/24(土)

07:18 京都駅発→<近鉄>→下市口駅→<タクシー>→

10:35 行者還トンネル西口着(入山)

15:57 弥山小屋着〔テント泊〕

 

10/25(日)

05:11 弥山小屋発→八経ヶ岳ピストン→

06:06 弥山小屋発

11:26 行者還トンネル西口着 <タクシー>

12:35〜 洞川温泉入浴・散策・打ち上げ→<奈良交通バス>→下市口駅→<近鉄>→

21:18 京都駅着

 報告

第48回 紀伊山地の自然環境と修験道#4」の続き

モノレールを降りた先に待っていたのは、洞川の全景でした。

面不動鍾乳洞の内部。

この鍾乳洞を形成する石灰岩は、ジュラ紀に付加したかつてのサンゴ礁の名残です。鍾乳石から水の滴下はほとんどなく、多くの鍾乳石や石筍がすでに成長を停止していました。

面不動鍾乳洞を出たところでも石灰岩の露頭がありました。通山氏の熱い解説を受けます。辺りはヒノキやスギの人工林です。

鍾乳洞からは洞川自然研究路を歩きます。

モミやカヤなどの常緑針葉樹に、ホオノキなどの落葉広葉樹が混じっています。モミやツガで代表されるこのような森林は中間温帯林といわれており、ブナなど落葉樹中心の冷温帯林とカシなど常緑樹中心の暖温帯林の間に位置づけられています。

研究路の先に待っていたのは、村一番のつり橋、かりがね橋です。

展望抜群で、なかなかの高度感があります。

橋から少し引き返して、龍泉寺の庭に下りてきました。洞川における修験道の基地のような役割を果たしている所です。

洞川の街並み。

洞川は大峰の登山口として多くの修験者が訪れた集落で、道沿いには旅館やお茶屋が多数立ち並びます。

最後は名物のぼたんなべで打ち上げです。

ごちそうさまでした!

京都大学自然地理研究会

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