第22回 川の地形と生態

 趣旨

「川の地形と生態」に関する野外調査

 概要

日時

2003年10月5日(日) 午前8時−午後6時

場所
朽木村
参加者
11名 (学部生7 [文5;薬1;農1]、 院生3 [人環1;AA研2]、 教官1)

 報告

花折断層に沿う安曇川とその支流である針畑川の4箇所において、その地形と環境、生態について観察した。参加者がそれぞれ川のスケッチをすることにより、環境と生態の関係について気がついたことを報告し、みんなで議論を行った。

安曇川の葛川中村町付近です。花折断層によってまわりの斜面は急で、崩壊地形が見られます。その崩壊による土石流扇状地には、崩壊地植生が見られます。また、川辺林など、川がつくる地形によって植生が異なっています。

安曇川をもう少し下流に行った葛川梅ノ木町付近です。幅広い河原を作っているのは、やはり花折断層による破砕帯のせいでしょう。川はカーブの外側で浸食力が強いです。そのため、カーブの外側にあたる写真左手は崖になっています。

川の生物を観察します。

背後に崖の路頭が見られます。砂礫の中に細かい粒子の堆積物の層が黒いラインとして見えます。この細かい粒子の層は、含水率が高いので湿っているために黒く見えます。この細かい粒子が堆積したときの環境は、今のように川が砂礫を運んできて堆積させるような環境ではなかったことがわかります。

針畑川です。川幅が狭くなっています。安曇川とはずいぶん様相が変わります。安曇川に比べ、川縁の礫が大きいです。花折断層に沿う安曇川が川幅が広く、水流が緩いのに対し、川幅が狭くて急な谷間を流れる針畑川の礫の運搬力が大きいためでしょうか。

第22回 川の地形と生態#2」に続く

京都大学自然地理研究会

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