第113回「愛宕山の歴史と自然」

 要旨

 京都盆地北西部に位置する愛宕山は信仰の山として知られており、山頂には火伏せの神様である愛宕神社の総本山が鎮座しています。今回の巡検では、比叡山と並んで京都の人々に親しまれてきた愛宕山の歴史について学ぶとともに、植生をはじめとする自然環境の観察を行います。

 案内者

 立石和奏(京都大学文学部地理学専修) 塚本まゆ子(京都大学総合人間学部)

 野外実習の概要

日時
2019年12月8日(日)
場所
京都府 愛宕山
参加者
12名(学部生4名[文1、総人1、農1、龍谷農1]、院生5名[文4、ASAFAS 1]、教職員2名[文1、渉外課1])OB/OG1
行程
阪急嵐山駅集合→バスで愛宕山麓、清滝へ移動。要旨説明、自己紹介→登山開始。植生観察→山頂に到着。愛宕神社参拝。昼食をとって愛宕山の歴史について説明→下山開始→月輪寺見学→清滝へ到着→バスで阪急嵐山駅へ移動→温泉→河原町駅付近で打ち上げ→解散

 報告

朝9時に阪急嵐山駅に集合して、バスで愛宕山の麓、清滝へ向かいました。

清滝に到着。自己紹介後、表参道から山頂を目指して登っていきます。

井戸や散らばる瓦から、かつて家屋があったことが分かります。

ソヨゴ・シキミ・アセビなどの植生を観察しました。

シキミは愛宕神社への代参講である愛宕講に関係する植物です。シキミは火伏せの札とともに神花として持ち帰られ、講の人員に分配されます。現在でも愛宕神社で授与が行われており、シキミを手に下山する登山客の姿も見られました。

参道沿いには丁石やお地蔵さんが。誰かの落し物なのか、マスコットがお地蔵さんの前掛けに挟まれていました。

黒門で雨宿り。山頂まではあと少しです。

12 時ごろ山頂に到着。古くから火伏・防火の神として信仰を集める愛宕神社に参詣します。

愛宕神社での集合写真。この後はお昼ご飯です。冷え込む山頂では自販機の暖かい飲み物が大人気でした。昼食後のレクチャーでは信仰の山としての愛宕山の特性や、ケーブルカー敷設をはじめとした近代の変遷について学びました。

月輪道から下山します。市街地の眺めと終わりがけの紅葉が楽しめました。また、下山途中はアセビが多く観察できました。

細い山道を下りきりました。ここからは歩きやすい舗装道です。

水野先生による頁岩についてのレクチャーです。頁岩は本のページ(頁)のように薄く剥がれることが名前の由来となっています。

全員無事に下山し、温泉で全身の疲れを癒しました。雨がぱらつく中でしたが、信仰との関わりという視点から植生(シキミ)を観察できたという点で興味深い巡検となりました。みなさまお疲れ様でした!

京都大学自然地理研究会

本サイト掲載の文章と写真の著作権は各執筆者と撮影者に、また人物写真の肖像権は被写体にあります。商用・非商用を問わず、あらゆるコンテンツの無断使用・転載を禁じます。画像の無断ダウンロード等も禁じます。 お問い合わせ:spg.kyoto[at]gmail.com

Copyright © 2011 自然地理研究会 All Rights Reserved

トップ 差分 一覧 ソース 検索 ヘルプ ログイン