ZFSメンバーは、南部アフリカ地域研究会を通じて、各自のフィールドでみられるミクロな現象を「南部アフリカ」というより広い地域のなかにどのように再定置するのか、さらに「南部アフリカ」という地域をいかにとらえるのかという問題を、共通の課題として強く認識するようになった。
そのような経緯の中、ZFSメンバーは、成果の発表をこれまでほとんど機会の無かった東京で行いたいと考え、ワークショップの開催を計画した。ワークショップのテーマは、南部アフリカ地域に共通の問題として浮かび上がる「土地」をキーワードに、『「土地」から展望する南部アフリカ』と設定した。さらに、全国各地にネットワークをもつ南部アフリカ研究会と、日本アフリカ学会関東支部の協力を得ることにより、本テーマについていっそう多方面から検討する体制を整えることとなった。
また同時に、南部アフリカ地域研究会の第5回から第7回研究会では本ワークショップの準備を兼ねて「土地」をテーマに各メンバーが発表し、第9回と第10回には本番直前の予行をおこなうなど、個々の研究発表の質を高める一方で、ワークショップのためのミーティングや実務的な準備活動を重ねた。
本ワークショップは、2006年2月18日に東京外国語大学本郷サテライトにおいて開催された。遠隔地における研究発表会の主催はZFSメンバーの多くにとって初の試みであったが、多数の参加者による活発な議論がなされ、本ワークショップは盛況のうちに終えた。
発表者(発表順・敬称略):淡路、村尾、岡本、吉田、中山、吉川、丸山(以上ZFSメンバー)、飯山みゆき(東京大学経済学研究科)