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森で一番恐ろしい生物――アリ

バカのキャンプではいつもテント生活だった。ぼろぼろな屋根の下に立てたテントは私の「モングル」だとみんなに認識されている。テントは火に弱いから、その周りには火もつけていなく、常に「寒い」感じだった。そのせいで、私のテントはよくアリちゃんたちに襲われる。
ある日の午後、夕飯の前に起こった事件だった。午後3時ごろに大雨が降っていて、私はずっとテントの中に引きこもっていた。いつの間にか寝てしまって、目覚めたらもう夕飯の時間だった。その時突然、体の何箇所が何かにかまれた感じがして、ちょっと痛かった。経験によると、それは絶対アリに違いない。テントの中をあちこちチェックしたら、アリが少し発見した。まだ大丈夫だとほっとして、外を覗いたら、ものすごく恐ろしい風景だった。それは数え切れないアリの集まりだった。私のテントを中心に、方円3メートル以内のあらゆるところは全部アリだった!アリに食われたくない私はとにかくバカのお母さんのメリを呼んだ。
「メリ!来て!アリがいっぱいだよ!」
「アハハハ!この女、どんだけアリが怖がってるだろう!」
メリは笑いながらテントに近づいたが、また急に止まった。
「ウオ―――!女!速く出よ!」メリの声がちょっとふるえていた。
「えっ?ど、どう出るの?」私はテントを出るいい方法がどうしても思いつけなかった。
「だから速く出よ!アリが多いよ!」メリは繰り返していた。
アリが多いなんて知ってる!と文句を言っても、私はできるだけ速くテントを出て靴を履いて、アリを踏みながらこの地獄から全力で脱走するほかなかった。
外はもう暗くなった。メリとほかの大人の女性たちは火(燃えている薪)でテントの周りのアリを駆け、女の子たちは私の体につけたアリを探す手伝いをしていた。靴やズボンだけでなく、背中も髪の中も、アリが私の体中を走っていた!その日は満月でよかった。男の人は全部酒飲みに行ってよかった。そのおかげで、私は服を脱いでアリたちを全部探すことができたのだ。
アリ地獄から脱走してもう1時間以上経った。テントの周りはもう大丈夫そうになった。自分の荷物を全部テントから出さないと、テントの中のアリちゃんたちはそのまま私と一緒に寝ることになる、と想像したら、私は勇気を出して、テントの中のものをすべて出して、メリにアリを殺してもらった。
キャンプの男たちも次々帰ってきた。事情を聞いた彼らは、私の見たこともないまじめな顔をして、「もう大丈夫?アリは全部消えた?」と私に聞いた。酒を飲んで酔っ払ったはずな彼らの心配な顔を見て、私は微妙な違和感を感じて、焦っていた気分が意外と落ち着いた。
アリ地獄から脱走して2時間後、キャンプはまたいつものように戻った。労働報酬としての酒を飲んで酔った男たちは騒いでいたが、私とほかの女性はアリとの戦いで疲れて、黙々と夕飯を食べたらすぐに寝た。