12月10日,5時過ぎに目が覚める。準備を整え,バトン・ド・マニオク (キャッサバの粉を水で練りマランタセの大きな葉で包んで蒸したもの。甘さのない「ういろう」のような食感),オイルサーディン,パパイヤ,ゆでトウモロコシの朝食。
けっきょくバラ氏は一緒に行かず,弟のアドリアン氏が同行することになった。それにコナベンベのサムソン,バカ・ピグミーのノラという二人の若者。日本人3人(木村,服部,安岡),カメルーン人3人のパーティーである。
7時50分,マレア村を出発。途中,食料のバトン・ド・マニオクを買う。ベク川を船で渡り,10時35分に安岡君のいるズーラボット村に到着。安岡君は日本で完成できなかった猿害の論文を,「完璧だ」と言いながら印刷していた。彼は一緒に行くかどうかしばらく迷っていたが,けっきょく行くことに。昼飯を食ったあと,12時57分に出発。
14時13分,最後の定住村,ガト村に到着。集会所でカワウソを焼いている。途中の食料に,ゲンディ(ピーターズダイカー)の肉を買う。早く出発したいのだが,アドリアンらがうだうだしていてなかなか出発できない。いらいらする。
16時15分,やっと出発。レベ川を渡渉。その後いくつもの小川を渡ったが,その前後は泥田のようになっていて,足首が全部埋まってしまう。一歩一歩引き抜きながらの行軍だ。17時22分,ペティと呼ばれるキャンプ地に着く。放棄されたバカ・ピグミーのモングル(ドーム型の家)がいくつかあるが,人はいない。カメルーン組3人は,そのモングルで寝ることにし,我々はそれぞれテントを張る。21時過ぎ,水を汲んできてもらい,肉とフフ(キャッサバの練り粥)を料理してもらう。ツリーハイラックスだろうか,森から寂しげな鳴き声が聞こえる。