12月9日朝,ドンゴ村の調査基地を引き払い,マレアに向かう。 途中のバティカ村で,帰国する四方さんを拾う。 彼女は調査終了直前のオーバーワークがたたって,扁桃腺を腫らし 発熱していた。 一緒にエコックにいくのは断念して,マレアの服部さんの家で寝ていることになった。 {{img IMG_1354.JPG}}{{br}} {{span style='font-size:10pt;', 服部さんの家}} 午後3時,マレア着。 服部さんが迎えてくれる。 (安岡君はまだ,先のズーラボット村だ。) 一緒に行ってくれるという,服部さんのインフォーマントのバラ氏に, エコックの話を聞く。 「ものすごく大きい」 「上に登るとはるか遠くまで見渡せる」 「アヴィオン(飛行機)が下を飛ぶのが見える」。 最後のはまあ割り引いて聞くとして,期待を持たせる話だ。 しかし,あまり期待しすぎない方がいいのかもしれない。 四方さんは今回の調査で,調査地の人に「森の中にものすごく広い草地がある」 と聞き,連れて行ってもらったのだが思いのほかしょぼくて, 一緒に来てくれた人にびっくりしてみせるのに苦労したという。 「めっちゃしょうもなかったらどうする?」彼女は言う。 ともかくも,行ってみなければわからない。 おそらく,日本人でエコックに行くのは我々が最初だろう。 この地域で過去に日本人の調査者が入ったという話は聞いたことがないし, 一般の旅行者が来るにも遠すぎるからだ。 (ただし白人は何人も行ったことがあるらしいが。) 私は事前に,地図でじっくりと行程を研究した。 自動車道路はマレアで終わり,そこからは森の中を細い道が続いている。 2時間半ほど歩くと,安岡君の入っているズーラボット・アンシアン村に着く。 途中一ヵ所,船で渡らなければならない川がある。 ズーラボットから約5キロでガト村。 そこから先には定住村はないが,道は続いている。 地図では,エコック・エダンバワはガト村から直線距離で15キロの位置にある。 ガト村から一日でエコックまで往復するとすると,直線で30キロ歩かないといけない。 森の中の道だから,当然距離はもっと伸びるはずだ。 不可能ではないが,女性の服部さんの体力を考えると,途中でテントでの一泊を 考えざるを得ない。 案内兼ポーターの人たちを数人連れて行く必要があるし, 食料も持参しなければならない。 私たちはバラ氏に人選を頼み,食料や持参品を準備した。 {{img IMG_2196.JPG}}{{br}} {{span style='font-size:10pt;',ヤウンデのメウミ・ホテルにて 左より木村,服部,四方}} >> 次頁 行軍 へ     ↑↑[[目次|Ekok行]] へ