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モロンド

 ムルンドゥ

ジャー河とブンバ河の合流点より少し下流、左岸に位置するカメルーン=コンゴ共和国国境の都市である。すぐそばをンゴコ川が流れていて,そのむこうはコンゴである。したがって、ウエッソなどとの商業・人的交流も深い。近郊には、第一次大戦のときに敗れたドイツ兵の戦死者墓地跡を今でも見ることができる。

写真左:ジャーとブンバの合流点。対岸に見えるのは、ボロゾという名のコンゴの集落。(2004年6月撮影:大石)写真右:ムルンドゥは、近年急速に都市化しつつあるが、漁労はむろんのこと、今でも周辺では狩猟が行われている。市場では、おかずに象肉の煮つけが売られていることも珍しくない。(2004年6月撮影:大石)

ムルンドゥ市の主な住人は、バンガンドゥ、バクエレ、サンガサンガ、コナベンベ、ハウサ、バカ・ピグミーである。周辺における熱帯林伐採事業が本格化してから大きくなった中間都市であり、それまでは小さな町だったという。

行政機関としては、ブンバ・ンゴコ県ムルンドゥ郡庁が置かれ、ヤウンデから派遣されるスープリフェ(郡長官)が駐在するほか、市役所、憲兵隊詰所、警察署、森林環境省事務所、海事・内陸水運管理所、WWF事務所などがある。(中長期滞在する場合には、これらの役所に出向いて、挨拶をし、面通ししておくことを強く勧める。)

学校は、小学校(Ecole primaire de Moloundou)とリセ、職業訓練中等学校(CETIC:College d'Enseignement Technique Industriel et Commercial)がある。病院は、仮設飛行場の近くの公立病院とミッション系の2つがある。公立病院の方が、医師、看護士数が多いのでお勧めである。手術のメスや注射針は、全て使い捨てのものを使ってくれる(ただし、手術前に患者側が購入しなければならない)。マラリア等の血液検査も可能である。

ヨカドマほどではないが、公設市場、商店街があり、もの・食料はそこそこ揃っている。商店主はほとんどが、ハウサと総称される人びとであり、Alliance Voyageを主たる交通手段として、ヨカドマ、ベルトゥア、ヤウンデ、ドゥアラなどから商品を仕入れ、販売しているほか、オートバイ・タクシー業も盛んである。カカオの収穫期に入ると、ハウサのほかにバミレケも加わって周辺地域での買い付け競争が始まるが、ムルンドゥはその拠点となっている。カカオ買い付けに関わる商人の中には、Thuraya社の衛星携帯電話を所持している者もあり、これでドゥアラの市場と緊密に連絡を取りながら、買い付けのタイミング、値段を決定しているらしい。

また、市内には小さいながらラジオ局があり、そこから定期的に放送されるFM放送を聴くことができる。放送にはフランス語によるニュースのほか、バクエレ語、バンガンドゥ語、バカ語、ハウサ語等による「文化放送」の時間もある。

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