!!(1)科学技術省の許可証取得 カメルーンにおいて調査を行う場合、科学技術省(Ministere de la Recherche Scientifique et Innovation、以下MINRESIとする。旧称はMESRES= Ministere de Enseignement Superior et REcherche Scientifique)等が発行する調査許可書が必要である。科学技術省の調査許可書は、1年間を上限に何ヵ月でも申請が可能であるが、許可取得までに要する時間が異なる。3ヵ月までは、同省のDirector GeneralのTANCHOU Justin女史にサインをもらえばよく、通常は1週間ほどで許可が取得できる。しかし、3ヵ月以上になると、大臣のサインが必要となり、その分時間がかかる。そのため、長期の許可を申請する場合は、あらかじめ日本から調査許可の申請書類を送付しておくのがよい。   調査許可申請書を直接持参する場合は、まずMINRESIの正面入り口から入り、受付カウンターで訪問目的を説明する。パスポートなどの身分証明を預け、入省許可のバッチをもらって二階に上がり、114号室で書類を渡す。係官が申請書の預り証を発行してくれ、いつ頃許可が下りるかを教えてくれる。現在の担当官はKOUTOU Chouebou 氏で、申請後に電話(753-6117)をすれば、調査許可が下りているかどうか教えてくれる。調査許可を受け取りに来るのは同じ場所である。書類がTanchou女史のオフィスで止まっていることも多いので、その場合は女史のオフィスに行って交渉する。オフィスは、MINRESIの裏側に出たところの下のほうにある平屋の建物である。   MINRESIの公務時間は、月曜日から金曜日の8:00から15:00であるが、Tanchou女史がオフィスに現れるのは9:00から10:00の間なので、このくらいの時間にいったほうがいい。調査許可が下り、無事に調査が終了したら、MINRESIに報告書を提出する必要がある。とくに、継続的に調査を行う場合は、次回の調査許可を申請する際に報告書がないと、調査許可が下りないこともある。報告書の内容は、旅程表と調査内容、及びその結果について記す。調査をもとに出版した英語論文があれば、それを報告書の一部にしてもよい。なお、グループによる許可申請の場合は、カメルーン人研究者のカウンターパートとの共同研究をするように要請される。 (2005年1月 服部) 科学技術省にタクシーで行く時は「Carrefour Emia」と言うとよいらしい。(2008年3月) ■調査許可申請のための必要書類 申請書は英語、またはフランス語で作成する。 ・ プロポーザル (調査目的、内容、スケジュール) ・ カバーレター 1枚(直筆のサインが必要) ・ 調査許可書様式 オリジナル一枚に必要事項を記入し、コピー6枚と合わせて提出。調査許可書は、これに大臣ないし局長がサインし、公印を押す。 ・ 履歴書 ・ 写真 7枚(裏に名前を書く) ・ 印紙 6,000 FCFA (1,000FCFA×6枚) (1euro=655FCFA) [申請書送付先] Ministere de la Recherche Scientifique et Innovation, B.P. 1457 Yaounde, Cameroon *郵送した申請書などは、途中で紛失する可能性があるので、2部用意すること。 (2005年1月 服部) →現地情報へ !!(2)森林・野生動物省の許可書 中央アフリカにおいて、国立公園などの自然保護区域及びその周辺に入る研究者は、科学技術省の許可とは別に、森林環境省の許可証をも取得する必要がある。カメルーンにおいても、国立公園その他の保護区で調査を行う場合、MINRESIで発行する調査許可とは別に、森林・野生動物省(Ministere des Foret et de la Faune)が発行する調査許可書が必要である。これまでは、森林・環境省(Ministere des l’Environnement et de la Foret、以後MINEFとする)が許可書を発行していたが、2004年12月に省庁が再編され、MINEFは、森林・野生動物省と環境・自然保護省(Ministere des l’Environnement et de la Protection de la Nature)に分割された。申請には、下記の書類が必要である。なお、許可発行には所定の料金を納める必要があるが、ヤウンデ大学などの機関にカウンターパートがいる場合には、カウンターパートの推薦状を持っていくと無料で取得できる。   森林・野生動物省は、ヒルトン・ホテルの斜め向かいにある赤茶の格子窓のついた高層ビルの17階にある(P.O. Box はない)。野生動物と保護区の担当官(Director of Wildlife and Protected Area)は、Ebai Takang Stephen氏であり、17階の1715号室にいる。しかし、国立公園内で調査を行う場合、国立公園の管理をサポートしているWWFなどの自然保護団体を通して、調査許可を申請する動物学者や植物学者が大半であり、ヤウンデの森林・野生動物省に直接調査許可を申請する例はそれほど多くない。また、国立公園内で行われる調査の多くが、動物学や植物学という分野の研究者によってなされており、人類学者は少ない。申請に要する時間は、担当官が出張などで不在でなければ1週間ほどである。なお、調査を終えて帰国する際には森林・野生動物省に報告書を提出することが義務づけられている。 ■許可申請のための必要書類 申請書は英語、またはフランス語で作成する。 ・ プロポーザル (調査目的、内容、スケジュール) ・ 調査許可書の様式(規定のフォーマットはなく、自分で作り、必要事項を記入して1,000FCFAの印紙を貼る) ・ 履歴書 ・ MINRESIで取得した調査許可書のコピー ・ パスポートのコピー ・ 写真 2枚(4cm×4cm) ・ 申請費 130,000FCFA +印紙 30,000 FCFA (1euro=655FCFA) (2005年1月 服部) →現地情報へ