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共在感覚 ホームページ

2003年11月に刊行された「共在感覚 − アフリカの二つの社会における言語的相互行為から」の内容を補完するホームページです。

長く絶版になっており,Amazonなどの古本は高い値段がついていましたが,2024年に京大出版会からオンデマンド印刷で再版されました。 本体価格はもとと同じ3800円です。 お求めの方は上記リンクからお願いします。

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■ 書誌

  • 書名: 共在感覚 − アフリカの二つの社会における言語的相互行為から
  • 著者: 木村 大治 (きむら だいじ)
  • 出版社: 京都大学学術出版会
  • 刊行日: 2003.11
  • ISBN: 4-87698-622-3
  • ページ数: 326pp.
  • 本体価格: 3800円 (消費税込みで4180円)

■ 目次を見る

■ 誤植・訂正



■ 動画配信 (YouTubeにリンクすることにしました)

動画と関係する本文の場所を示します。動画のない部分の目次は省略しています。


★ bonango ボンガンドの典型的な投擲的発話「ボナンゴ」の様子を,字幕入りで示したものです。2004年9月の社会言語科学会のために下に挙げてあるファイルを編集したものですが,わかりやすいのでぜひ見てみてください。

★ bototoloto 2005年に調査を再開してから撮ったビデオ。 村の若者がロコレ(通信用太鼓)を叩いていますが,あとで何を叩いていたのか聞くと, 「朝からなにも食べてない,腹が減った」という内容だったとのこと。 こういった通信もまた,「ボナンゴ」と呼ばれます。

★ バカ・ピグミーの共在感覚 研究会での発表用に作った動画をYoutubeにアップしました。バカ・ピグミーの発話重複と長い沈黙の様子をまとめています。


はじめに ・・・p.i
□ 叫ぶ男
★ bongando10 「はじめに」で見開きぶち抜きで示した写真のもとのビデオ。村の長老バオーハンダが,ほとんど人影の見えない村の中央の広場で大声で叫んでいる(「ボナンゴ」)。ビデオの中頃で,白い服を着た男がまったく無関心な様子で横を通り過ぎる。

★ bongando09 上の動画と同様,男が広場の真ん中で叫んでいる。典型的な「ボナンゴ」。終わり近くで,椅子に座っている老人(バオーハンダ)が,男に目もくれずうるさそうに蠅を叩くシーンが印象的。
    :
第T部 民族誌的記載
第1章 ボンガンド
    :
■ トーキング・ドラム ・・・p.54
★ コイのロコレ ワンバ村で,ロコレ(通信用太鼓)を叩くコイさん。途中で「ニヒャク(フラン)」くれ,と冗談を言う。

■ 投擲的発話 ・・・p.60
□ 声に満ちた村
★ bongando01 村の日常の風景。座っているだけであちこちから声が聞こえてくる。

★ bongando02 道を歩きすぎる人と村にいる人の挨拶。"Omooya" - "Ee" (「来たのかい」−「ああ」)のやりとりが繰り返される。

□ 背景発話
★ bongando03 ロソンボ(男たちの集まる小屋)で男たちが語り合っている。パラパラというのは雨の音。このよく通る声は外に漏れ出て背景発話となる。

★ bongando05 バオーハンダが家の前で喋っている。ボナンゴというほどのことはないが,この声も遠くからよく聞こえる。

□ ボナンゴ
★ bongando04 p.75以降に転記のある,バオーハンダのボナンゴ的な発話のシーン。内容に関しては本文参照。

★ bongando06 朝霧の中にロカロの叫び声が響く。朝から何を騒いでいるんだろう,と思わざるをえない。

★ bongando07 上と同じロカロの投擲的発話。最初は小屋の中の人に向かって語っているが,やがて右方向に歩いていき,発話の対象が特定されないブロードキャストに移行していく。

★ bongando08 女性もボナンゴ的な発話をおこなうことができる。男性ほど「やるぞ」という感じではないが,通常の発話だったのが,感情が激するとともに大声になっていく。

    :
第2章 バカ・ピグミー
    :
■ 発話重複と長い沈黙 ・・・p.130
★ baka05 集落から2kmほど離れた畑のそばのキャンプでの会話。よく聞くと,何かの拍子に発話がぼわぼわと重複していることがわかる。

★ baka06 上のシーンの続き。遠くからの発話もよく聞こえる。

★ baka09 調査基地の中で,私に近しい人たちが喋っている。中ほどで発話が激しく重複する。

★ baka10 基地の小屋の中での女性たちの会話。発話が重複する場面と,かなり長く沈黙が生じる場面が見られる。

■ 重なり合う人々 ・・・p.150
□ 行為の「圧力」のなさ
★ baka16 二人の男が基地の小屋の中に座っている。ただ静かに座っている。別に何かに気圧されているわけではなく,こういう状態が続くのは普通である。

★ baka17 じいさんが「影のように」座っている。

★ baka18 森のキャンプ,男と子供たちが気に腰掛けている。何を感じているのだろうか。途中,男が何を聞いたのか「ンッフッフ」と笑う,

★ baka19 上のシーンの続き。静かに,寄り集まって座る子供たち。

★ baka20 これも静かに座る男。ときおり,誰に対してなのか,言葉を発するが。こういった座り方は,バカの特徴と言っていいだろう。

★ baka21 窓からのぞき込む少女たち。実はビデオで撮りながら,私は彼女らのことをじっと見つめている。不自然に体をねじ曲げてよそを向いたりするが,けっして逃げない。

★ baka22 じっと家の中を見つめる男。大人でもこういうことをする。

□ ドドド現象
★ baka08 調査基地にドドドと集まってきた人々。実はビデオの液晶画面を対面モードにして撮っており,彼らはその画面を見ている。激しい発話の重複がある。

□ 「ベ」
(「ベ」のシーンはすべて分藤大翼氏による撮影です。赤外線による撮影機能を使っています。)

★ baka_be_01 女たちが歌い,精霊「メ」が踊る。

★ baka_be_02 歌いながら自分も踊っている女たち。途中,精霊が女たちにチャージする。

★ baka_be_04 最初は最強の精霊,ジェンギの踊り。そのつぎはかぶりものをかぶった別の精霊。

★ baka_be_06 ブマの踊り。この踊りは踊り手がかぶりものをつけない。女性たちのポリフォニーが美しい。

★ baka_be_07 ジェンギの周りで歌う女たち。

★ baka_be_10 精霊と女たちの掛け合い。


■ 拡散的会話場 ・・・p.169
□ 会話場の境界
★ baka01 森のキャンプの様子。声はキャンプ全体に響き渡る。不分明な会話場の境界。

★ baka02 夕刻のキャンプ。人々は帰ってきて,モングル(ドーム型の小屋)の前で調理しながら,拡散的な会話をおこなう。

★ baka03 夜のキャンプ。(画面が真っ暗なのは夜だから。)闇の中に男の声がブロードキャストされる。

★ baka04 夜のキャンプ,ランプの光の回りに集まって会話する。左に座っているのは木村。

■ 何を語っているか ・・・p.186
★ baka15 私の撮ったビデオに見入る人々。

★ baka13 会話の転記作業の様子。

□ 会話の転記
★ baka07 p.187以降に示した転記のもとになったシーン。調査基地の前で数人の男女が喋っている。時に発話重複のバーストがある。

★ baka12 p.190以降に示した転記のもとになったシーン。バンジョで,首にテープレコーダーを引っかけて個別に発話を録音しようとした。最初にジンを配っている。

★ baka14 森のキャンプで,これも個別録音法を試している。これをやると緊張するのか,あまり面白い会話は録れなかった。


第U部 相互行為論的考察
理論編なので動画はありません。


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