東アフリカの乾燥地域には、ウシなどの家畜につよく依存して生活を営む牧畜集団が数多く分布しています。彼らは、近隣の農耕民や都市にくらす人びとから「野蛮で暴力的な」存在とみなされています。牧畜民がくらす地域では、家畜の略奪などを目的とした武力紛争が多発しているからです。1980年代以降は、強力な殺傷能力をもつカラシニコフ銃が拡散し、紛争での死傷者数も増大しているといわれています。もちろん、牧畜民は単に「野蛮で暴力的な」存在だから戦いを続けているわけではありません。本講座では、人びとが戦いに向かう理由や戦場での経験、戦争後に平和を回復していく過程をたどることをとおして、牧畜社会の戦争と平和の動態に迫ります。

 

日 時:2012年6月16日(土) 午後3時~5時

会 場:京都大学稲盛財団記念館3階 中会議室
http://jambo.africa.kyoto-u.ac.jp/~front-a/access.html
講 師:佐川 徹 (京都大学アフリカ地域研究資料センター 助教)


 

 

 

講師プロフィール

佐川 徹 (さがわ とおる)
1977年東京都生まれ。京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科博士課程修了、博士(地域研究)。紛争が頻発する東アフリカ牧畜社会で調査をおこない、実際に戦いに行った人たちの戦場での経験や、民族境界を超えた友好的な社会関係が平和の回復に果たす役割について分析をおこなってきた。おもな著作に『暴力と歓待の民族誌―東アフリカ牧畜社会の戦争と平和』(2011年、昭和堂)、『紛争解決―アフリカの経験と展望』(2010年、ミネルヴァ書房、共著)、New Perspectives on Human Security(2010年、Greenleaf、共著)がある。