日時:2011年4月16日 (土) 15:00~17:00
場所:京都大学稲盛財団記念館中会議室
   

サバンナに生きる

講師:太田至(京都大学アフリカ地域研究資料センター)

アフリカ大陸には広大な乾燥地域がひろがっており、そこには「遊牧民」「牧畜民」と呼ばれてきた人びとが生活しています。

 

彼らは、ウシやラクダ、ヤギ・ヒツジなどの家畜を飼養しながら、つよく乾燥した生態環境を巧みに利用するための知識や技術、社会、文化をつくりあげて、移動性の高い生活を営んできました。

 

彼らの社会は乾燥地域に分布しているため、どちらかと言えば、アフリカ大陸のなかでも辺境の地に位置してきたといえるでしょう。

 

しかしながら現在、地球規模の気候変動や旱魃といった自然環境の変化、多くの開発支援事業の実施、市場経済の浸透、学校教育やキリスト教の普及、国家の行政・司法制度への包摂などにともなって、この人びとの社会も大きく変化しています。

 

この講座では、主としてケニアに住むトゥルカナという人びとをとりあげて、家畜とともに生きる技術や文化、そして彼らが直面している現代的な課題についてお話しします。

 

【講師プロフィール】

太田至(おおた いたる)
京都大学アフリカ地域研究資料センター、教授。1953年長野県生まれ。京都大学大学院理学研究科博士課程修了、理学博士。専門はアフリカ地域研究、人類学。アフリカの乾燥地域にひろがる牧畜社会を対象として、家畜と人間のあいだのさまざまな関係を調査してきた。現在は、急速に変動する社会環境を人びとがどのように理解し対処しているのか、そして、内戦や民族紛争にともなってどのような問題がおこり、人びとはいかにして共存の道を模索しているのかを、重要な研究テーマとしている。編著書に、Displacement Risks in Africa: Refugees, Resettlers and Their Host Population. Kyoto: Kyoto University Press (Gebre Yntiso と共編)、『遊動民(ノマッド)―アフリカに生きる―』昭和堂(田中二郎・佐藤俊・菅原和孝と共編)、『続・自然社会の人類学―変貌するアフリカ』アカデミア出版会(田中二郎、掛谷誠、市川光雄と共編)などがある。