日時:2010年11月20日 (土) 15:00~17:00
場所:京都大学稲盛財団記念館中会議室
   

森に生きる

講師:市川光雄(京都大学アフリカ地域研究資料センター 特任教授)

COP10では「生物多様性」が謳われ、熱帯雨林や野生動物の保護の必要性が叫ばれている。しかし、この会議と平行して世界の先住民と言われる人びとが名古屋に集まり、森林に対する慣習的な権利について訴えたことはあまり知られていない。これらの人びとは、何世紀も前から 森に住み、そこから生活の糧を得ながら森と共存してきた。それにもかかわらず、彼らのそうした生活が「生物多様性」や「地球温暖化防止」の名の下に、大幅に制限されようとしている。このままでいいのだろうか?食物や薬、燃料、物質文化の素材など、多彩な形で森の資源に依存してきた彼らの生活を知り、また、そうした生活を通して森を維持してきた彼らの営為に目を向けることによって、彼らの慣習的権利に対する理解を深めるとともに、自然と共存するための新しい知恵について考えてみたい。

 

【講師プロフィール】

市川光雄(いちかわ みつお)
京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科特任教授。京都大学大学院理学研究科修了。理学博士。専門は、生態人類学、アフリカ地域研究。 中央アフリカの狩猟採集民と農耕民の社会を対象とした人類学的・民族学的調査資料をもとに、多様な自然観や自然利用、およびそれらの共存関係や変容について考察するとともに、人類学的な立場から自然の保護やその持続的利用について検討している。 主な著書・著作 『森の狩猟民―ムブティ・ピグミーの生活』1982,人文書院. 『生態人類学を学ぶ人のために』(共編著)1995,世界思想社. 『森と人の共存世界』(共編著)2001,京都大学出版会. 「ムブティ・ピグミー:森の民の生活とその変化」福井勝義・竹沢尚一郎編『ファースト・ピープルズ~世界先住民族の現在第5巻 サハラ以南アフリカ』2008,明石 書店. 「植生からみる生態史: コンゴ、イトゥリの森」 木村大治・北西功一編『森棲みの生態史』2010,京都大学出版会.