6)個体数

調査地域内の個体数(ポピュレーション)は調査開始当時から平均年2.7%の割合で増加している。個体数増加に寄与しているのは出生と域外からの移入であるが、この10年間で204頭のアカンボウが生まれている。9月が出産のピ−クで、約8割がこの1ヶ月間に生まれる。交尾期は4月中・下旬で、妊娠期間135−140日である。生まれた時の体重は55−60グラムほどであるが、3才の大人になる頃には2キロ余りになっている。個体数が減少する要素として、死亡と域外への移出がある。生後1才までの幼児死亡率は37.7パーセントと高い。2才過ぎ頃までに約半数が死亡する。死亡の原因はよくわからないが、病気、事故、外敵であるマダガスカルチュウヒダカ(写真6)などの猛禽類や野生化した犬、猫などが関与しているようだ。

(写真6):マダガスカルチュウヒダカ(Polyboroides radiatus)