4)ワオキツネザルの日常生活

ワオキツネザルは、キツネザル類の中でもっとも乾燥した地域に生息する種で、しかも地上に降りて活動することが多い。早朝泊まり木から起き出すと、近くの朝日があたる枝先へと移動し、両腕をひろげて日光浴をしたり(写真4)毛づくろいをおこなう。それから移動・採食を始めて11時頃まで採食が続く。ワオキツネザルの主食はタマリンド(Tamarindus indica)の若葉や実であるが、植物食として70種余りを食 べることがわかっている。動物食としてはシロアリ、バッタ、セミ、カメレオンなどを食べる。日中の暑い ときは木の上などで休息し、午後3時頃から再び移動・採食を開始する。夕方日没近くまで活動し、日没後 30分くらいすると泊まり木の上に集まる。群れは胸高直径が50センチメートルをこえる巨大な特定の泊 まり木で夜を過ごすことが多い。横枝上では丸くなって眠る。

(写真4):タマリンド上で日光浴をおこなう
ワオキツネザル。

ワオキツネザルの親子