たとえば現在,携帯電話,インターネットといった新しいメディアの普及によって,我々自身の社会的なつながり方は,これまでと異なる様相を帯びて来つつある。しかし,それらを記述する方策を,我々はまだ十分に持ち合わせてるとはいえない。「拡散する声」の文化が,ダイレクトにその分析のモデルになりえるとは思わないが,文化的に鍛えられたその姿を記述していくことは,我々自身の21世紀のコミュニケーションを考える上でも重要な手がかりになるに違いない。
(この小論は,近刊の『多中心主義の構築へ−アフリカのことばと社会から考える』 (松田素二,宮本正興編 人文書院)の中に書いた文章の一部を要約した ものです。 より詳しい内容を知りたい方は,この本をお買い求めください。)