2. 中央アフリカ熱帯雨林の環境

アフリカの気候帯は,コンゴ盆地を湿潤の極とし,周辺に向けて乾燥化する 同心円をなしている。 私の調査した地域は,この盆地をおおう熱帯雨林のただ中にある。 (地図を見ると,赤道は私の住み込んでいた村の南約1キロの所を通っていた。)

調査地の位置
この地域は,大局的に見ると非常に平坦な地形をなしており,その中を 大小の河川が網目状に流れている。 気温は一年を通じて,一日の最高気温30℃,最低気温20℃程度である。 (「赤道直下」というイメージほどには暑くない。) 年降水量は約2000mmに達し,年2度の雨季が見られる。

森林の種類は,大きく3つに分けることができる。

  1. 乾燥一次林: 河川から離れたところに発達する。樹冠は50mに達するところもある。
  2. 湿性一次林: 河川のまわりの一次林で,増水時には林床が冠水する。木々の樹高は乾燥一次林よりも低く,盤根が発達する。
  3. 二次林: 過去に人為的に伐採されたことのある林。放棄されてからの時間によって 植生はさまざまである。 古い二次林は一次林と区別がつきにくい。
ランドサットによって撮影された衛星画像を見ると,この3種の森林はかなりはっきりと 区別できる。

調査地付近のランドサット画像
(縦横約90km)