タンザニア北部の北パレ山麓 (池野旬)



乾季灌漑作地域遠望 (Tanzania連合共和国Kilimanjaro州Mwanga県)
写真の中央部に、緑色の立木が交わって三角形となっている箇所がある。これは2つの渓谷の合流地点で、その内側と周辺部 に乾季灌漑作のインゲン豆の畑が広がっている。写真の右手には、丘陵部の下に連なる家屋群も見える。


乾季灌漑作地域近景
98年には大雨季作の収穫が遅れていたために,乾季作の作業も遅れ気味であった。大雨季作のトウモロコシが残っている畑,大雨季に使われず雑草が生い茂っている畑,火入れ中の畑,火入れ後に耕起中の畑,すでにインゲン豆が青々と生育している畑と,農作業の進捗状況は畑によってまちまち。


溜池1
乾季灌漑圃場には,山間部に設けられた溜池に半日あまり溜めた水が,用水として供給される。いくつもの溜池が造成されているが,写真のMbogho池はそのなかでも大きい池のひとつである。幅30m,奥行き10数m,水門近くの深さはおよそ2.6m。20年ほど前に改修して堤をコンクリート製で補強し鉄製の水門もつけたが,今は水門は壊れており,他の溜池と同様に蔓とバナナの葉を使って水門を開閉している。


溜池2
Mbogho池とは別の渓谷に設けられたSumbwe池。幅15m,奥行き15m,水門近くの深さ2.6mほどの池で,石を積み重ねて堤としている。Mbogho池の高度が1200m弱であるのに対して,Sumbwe池はおよそ1450mで,900m弱に位置する乾季灌漑作圃場には500m以上水が落とされていることになる。


丘陵を超える用水路
灌木林の中で白く光っているのが用水路である。2つの渓谷に設けられたいくつかの溜池から,用水路が網の目のように張り巡 らされている。土溝であるために灌漑圃場に到達する途中での漏水も多いが,農民自身で補修することが容易でもある。


灌漑中の畑
番水方式で各圃場に給水される。用水日には鍬を用いて圃場の凹凸を直し,水がまんべんなく行き渡るようにする。大雨季作の収穫物の残滓をきれいには取り除かずに地表に残してあるのは,用水の流速を落とす効果があるためという。