第92回 京大周辺の自然観察:大文字山の植生と地形と地質

 趣旨

今回の研究会では、京大生にも馴染みの深い大文字山をフィールドに、植生と地形と地質という複数の面から自然観察を行う。森林の樹木の同定や、地質と地形や地名の関連や、植生と人間活動との関係を実地で学ぶ。

 案内者

  • 片桐昂史(文学研究科 D1)
  • 芝田篤紀(アジア・アフリカ地域研究研究科 M2)
  • 水野一晴(文学研究科 教授)

 野外実習の概要

日時
2015年4月26日(日)
場所
京都市大文字山
参加者
20名(学部生2[文2]、院生12[AA研7、文1、地環1、奈良大学-文2、奈良教育大1]、教職員4([AA研1、文1、その他]、社会人2)
行程

白川今出川交差点南西角集合→銀閣寺横登山口から登山、適宜地質・植生に関するレクチャー→「大」の字の火床にて送り火、地形に関するレクチャー→火床から下山→京都市内にて打ち上げ

 報告

2015年度最初の巡検は大文字山にて行いました。毎年4月の巡検は「京大周辺の自然観察」をテーマに実施しています。

 

今回は計20名が参加しました。白川今出川交差点に集合し、銀閣寺周辺のにぎわいを横目に大文字山の入口へ。

 

入口の手前で花崗岩の岩肌が風化している様子を観察しました。花崗岩はタマネギ状風化と言って、タマネギの皮を剥くように表面から風化してボロボロと剥がれていきます。

 

いよいよ登ります。大文字山は海底が隆起した後にマグマが噴出してできた地形です。堆積岩にマグマが貫入して、そのマグマが冷えて固まってできた花崗岩の部分が風化によって崩れて低くなり、マグマが貫入した周辺の堆積岩が熱によって変成し、硬い変成岩のホルンフェルスとなって、侵食されにくく、大文字山と比叡山のピークを作っています。

 

道中でコナラ、イロハモミジ、モチツツジ、シイなど植生の観察を行いました。

 

大文字山ではナラ枯れやマツ枯れ、シカによる食害が問題となっています。写真はカシノナガキクイムシによるナラ枯れを防ぐために虫の入った穴をふさいである様子です。

 

こちらは幼木をシカ害から守るためにネットを張っています。

 

第92回 京大周辺の自然観察:大文字山の植生と地質と地形#2」へ続く

京都大学自然地理研究会

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