第78回 五山送り火「妙・法」と松ヶ崎の自然資源
趣旨
京都の夏の風物詩として真っ先に挙げられるのが五山送り火です。そのうちのひとつ、「妙・法」の点灯行事が行われる背景には、地形や歴史的背景のほか、この地域の自然資源としてアカマツが利用されてきたことが関係しています。松ヶ崎の住民の方々は、戦前まで限られた資源を有効に利用して生活されてきました。
今回の実習では五山送り火の「妙・法」を切り口として、松ヶ崎の環境史を総合的にたどりました。具体的には、五山送り火の「妙・法」に関連する箇所を訪れて地形や歴史、アカマツとの関係を解説した後に、地域住民に利用されてきた水路や山に自生する植物の観察を行いました。
また、実習後には今年度で自然地理研究会を去る世話人の送別会及び博士論文を提出された方の祝賀会を行いました。
案内者
- 藤井基弘(京都大学地球環境学舎 D3)
- 中三川洸太(立命館大学文学部 B4)
野外実習の概要
- 日時
- 2012年3月19日(火)
- 場所
- 京都市松ヶ崎
- 参加者
- 10名 (学部生6 [医1;工1;立命館大学-文2;大阪大学 -文2]、 院生2[地環2]、 教職員1 [AA研1]、 その他1)
- 行程
松ヶ崎駅に13時集合→歴史的景観保全地区の見学→井出ヶ鼻井堰及び水路の見学→東山登山口到着、アカマツ等植物観察→下山し宝ヶ池着→宝ヶ池の岩崎様を訪問→宝ヶ池を出発→国際会館駅→四条駅から徒歩で四条河原町へ
送別会+祝賀会の概要
- 場所
- 鱗 uroko(四条河原町)
- 参加者
- 13名 (学部生6[医1;工1;農1;立命館大学-文2;大阪大学 -文1;大阪大学 -外国語1]、 院生4[人環1;AA研1;地環2]、 教職員2 [AA研1;医1]、 その他1)
報告
まずは松ヶ崎駅に集合します。
松ヶ崎駅を出たところで、今回の巡検で見学する松ヶ崎についての解説を受けています。
松ヶ崎では京都五山送り火の一つである、「松ヶ崎妙法送り火」が行われています。写真では少々わかりづらいですが、山に「妙」の文字が描かれています。
松ヶ崎の住宅街の中に入っていきます。妙法送り火は松ヶ崎の住民によって行われています。また、住宅街の中には水路が通っています。
こちらが、「法」の文字になります。
この日は非常に天候に恵まれ、比叡山がよく見えます。
松ヶ崎の住宅街を抜け、高野川にやってきました。松ヶ崎の住宅街の水路の水は、この高野川から引いています。
この「井出ヶ鼻井堰」から、松ヶ崎全域へ水を送っています。かつては松ヶ崎の住民たちが交代で井堰や水路の水の管理を行なっていました。
京都大学自然地理研究会
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