第43回 京大周辺の自然観察:吉田山、大文字山、花折断層

 趣旨

京大生にとって身近なフィールドである吉田山や大文字山を歩き、そこに見られる植物や地質の観察を行うとともに、京都で最も注目される断層である花折断層の痕跡を追いながら、修学院に向かう。吉田山では、花折断層との関わりやコナラ林の観察を行う。大文字山では、山を構成する岩石である花崗岩とホルンフェルスの観察を行い、送り火の燃材に用いられるアカマツ林の変遷について紹介する。また「大」の字では京都盆地を一望しながら盆地の形成史を紹介し、上から見える断層地形の観察を行う。最後に、上から観察した花折断層の痕跡を市街地の中で下から見出すことで、断層地形の理解を深める。

 案内者

  • 藤田知弘(アジア・アフリカ地域研究研究科)【植生】
  • 瀧口正治(理学研究科)【地質・地形】
  • 中村真介(農学研究科)【送り火・総合案内】

 野外実習の概要

日時

2009年4月29日(水・祝)

場所
吉田山〜大文字山〜修学院
参加者
28名 (学部生8 [文2;経1;医1;工2;農2]、 院生15 [教1;理1;農3;AA研10]、 教職員3 [AA研3]、 その他2)
行程

09:00 吉田神社石段下に集合

     花折断層と吉田山の関係、吉田山を散策しつつ植物観察

10:30 吉田山下山、大文字山へ移動

     大文字山の地質・植生の観察、石切場跡(太閤岩)見学

12:30 「大」の字(火床)で昼食

     花折断層、京都盆地の形成、送り火とアカマツ

13:30 出発

     マツ林施業地見学、アカマツと大文字山の植生

15:00 大文字山下山、花折断層沿いに市街地を北上

     京都の市街地で花折断層の痕跡を見出す

17:08 修学院駅前より京都バスにて岩倉へ

18:00 打ち上げ(BBQ)

 報告

吉田神社前で集合。今回はこれまでの最多参加人数26名を超えた28名の参加でした。

まずは、花折断層に沿う断層活動によって吉田山が誕生したことについて学びました。

吉田神社入口の階段下に断層があることを確認し、吉田山を登り、植生の観察をしました。

吉田山での観察が終わり、いよいよ大文字山に登ります。

 

チャートの観察。

チャートは主として珪藻の死骸が堆積してできた岩石で、新鮮なものは非常に緻密ですが、ここのものは風化が進み、非常に脆くなっています。

また、岩石の風化の仕方が地質によって異なることも併せて学びました。

比叡平は花崗岩なのに対して、比叡山と如意ヶ嶽(大文字山)は、マグマの貫入によって接触変成を受けたホルンフェルスで形成されています。このため、侵食に強いホルンフェルスの部分(比叡山、如意ヶ嶽)はピークになっているのに対し、侵食に弱い花崗岩の部分(比叡平)は侵食され、鞍部になっています。

大文字山にてコナラをはじめとする森林の植生を観察しました。

石切場(太閤岩)で花崗岩の観察。

ここの花崗岩は褐簾石という鉱物を含むのが特徴です。

豊臣秀吉の時代にここから花崗岩の切り出しが行われました。

花崗岩をハンマーでたたいて割り、花崗岩の新鮮な部分の結晶を観察します。

大文字山山頂を目指して登ります。

大文字山からの京都市街地遠望。

ここで、花折断層をはじめとする断層の活動と京都盆地の形成について学びました。

大文字山にて記念撮影。

ここで昼食を取り、併せて送り火の歴史を学びました。

登りは主に花崗岩の地域を登ってきましたが、今度はホルンフェルス化した頁岩の地域を下っていきます。

森林の様子。

マツ枯れを観察し、その現状を学びました。

また、アカマツの幼樹を探し、その更新状態を観察しました。

新鮮なチャートの断面。

 

次に、大文字山を下山し、花折断層に沿って地形を観察しました。

京都大学農学部グラウンドの東端の崖は花折断層の断層崖です。

巡検も無事終了し、いつものようにバーベキューで打ち上げしました。

バーベキューの後はタクシーに分乗して、大学まで戻り、それぞれ帰宅しました。

お疲れさまでした!

京都大学自然地理研究会

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