自然地理研究会第100回記念〜白浜巡検〜

 趣旨

京都大学自然地理研究会の巡検は、2001年の初開催から今回で100回目を迎えました。その節目として、今回は和歌山県白浜町での一泊二日の記念巡検を開催致します。白浜の特徴的な自然環境を観察し、広大な太平洋を望める白浜温泉にも足を運びます。また京大白浜水族館も見学します。懇親会では100回記念を祝して、これまで積み上げてきた数々の活動を振り返り、未来に向けた研究会の方向性について考えます。

 案内者

芝田篤紀(京都大学文学研究科地理学専修 D1)竹岡佳子(京都大学地球環境学舎 M2)大谷侑也(京都大学文学研究科地理学専修 M2)

 野外実習の概要

日時
2017年2月18日(土)〜2月19日(日)
場所
和歌山県白浜町
参加者
18名(学部生9[文7、工1、経1]、院生3[文2、地球環境学舎1]、教職員2[文1、国連大学1]、社会人・OB4)
行程
(2/18)和歌山県白浜町三段壁駅に集合→三段壁・千畳口・泥岩岩脈で実習→温泉入浴→京都大学白浜海の家に宿泊→(2/19)京都大学白浜水族館見学→白浜バスセンター付近で昼食→解散

 報告

今回は自然地理研究会の第100回記念巡検として、和歌山県白浜町で泊りがけの巡検を行いました。

三段壁駅集合後、まず記念撮影。三段壁は千畳敷の南海岸にそそり立つ高さ50mの断崖です。その昔、漁師たちが通りゆく船や魚の群れを見張った場所「見壇」に由来するといわれるこの大岩壁は、南北2kmにわたって展開され、黒潮が岩肌に激しくぶつかり合う光景はとてもダイナミックでした。

源平合戦で知られる熊野水軍が身を隠したという伝説が残る三段壁洞窟を見学しました。洞窟内には約1600万年前に波や潮流によって海底の砂や泥が動かされ、地層の表面に形成された漣痕(リップル)が見られました。

千畳敷を見学しました。千畳敷は瀬戸崎の先端から太平洋に向けて突きだしスロープ状になった白く脆い岩であり、第三紀層の砂岩からなる大岩盤です。打ち寄せる荒波に浸食される大岩盤は、壮大な景観でした。

白浜の泥岩岩脈を見学しました。この付近の地層は約1500万年前に浅い海で形成された砂岩と泥岩の互層からなる堆積層が隆起したもので「田辺層群」と呼ばれています。泥岩岩脈とは、大きな地震で表層部が地割れを起こし、地下の泥の層が液状化現象により地上に吹き出し、固化したものです。

宿泊場所である京都大学白浜海の家では、懇親会と水野先生のお誕生日会を行いました。

自然地理研究会の第100回までの歩みを映像で振り返りました。

2日目は、京都大学白浜水族館を見学しました。白浜周辺に生息している魚や無脊椎動物が展示されていました。大水槽の前ではサンゴ礁生態系、湧昇流のメカニズム、熱帯の海はなぜ貧栄養なのか?など、海洋学に関する議論が活発に行われました。

水族館見学後、皆で昼食をとり、現地で解散しました。みなさま、おつかれさまでした!自然地理研究会は次なる100回巡検に向け、ますます見て、聞いて、学んで、楽しめる巡検を企画していきます。これからもどうぞよろしくお願いします!

京都大学自然地理研究会

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