セミナー第4回 院生による研究報告会

 概要

日時
2月28日(金)
場所
京都大学稲盛財団記念館301号室

 発表者および内容

話題提供者1
露木啓悟(京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科アフリカ専攻)
タイトルおよび要旨
「ナミビアにおける予備調査の報告と今後の構想」

昨年11月5日から本年1月11日にかけてナミビアにおいて予備調査を行った.ナミビア北部コワリブ村における牧畜民ダマラの土地利用とAcaciaeriolobaの拡大についての調査報告と今後の研究構想について発表する.

話題提供者2
田村賢哉(奈良大学大学院文学研究科地理学専攻)
タイトルおよび要旨
「インドネシア・Merapi火山2010年火砕流堆積地における農業的土地利用の回復」
 災害を頻発する地域で生活を維持していくための地域が持つ知識や知恵を明らかにし,その背後にある自然との関係から,自然と人間の持続可能な共存関係を導くことが今後の災害及び地域研究に求められている. そういった背景からインドネシア・メラピ火山の2010年火砕流被災地における住民の農業的土地利用の回復について研究を行った.この研究では,2010年の火砕流被災地における住民による農地回復について実態の把握をおこない,農地の回復方法を明らかにし,その回復の背後にある要因について自然との関係から考察をおこなった. その結果、火砕流による農業被害の場所の違いが明らかになり,そういった場所ごとに住民による農地回復の取り組みに違いがあることがわかった.また,自然との関係から考察した結果,住民の農地の回復方法は微妙な地形の変化に合わせておこなっていることがわかった. この度の懇話会では、修士論文でまとめた内容について発表する.
話題提供者3
片桐昴史(京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科アフリカ専攻
タイトルおよび要旨
「セネガル共和国サルーム・デルタにおける塩づくりと生態環境の関わり」
マングローブとは,熱帯・亜熱帯の沿岸や河川の河口域に分布する植物群落の総称である.マングローブは,自然災害から人間の居住地を守る防潮堤としてだけでなく,海岸域の豊富な水産資源や薪などの森林資源が得られる現地住民にとって重要な生態系でもある.しかし,現在,世界各地でマングローブは縮小しており,自然環境の変化と同じくらい人為的な原因よるものが多いとされる.西アフリカのセネガル共和国では,乾燥化による塩類集積や農地の拡大によって,マングローブは縮小しているといわれている.

 発表者は,セネガル共和国のサルーム・デルタの河口域に位置するパルマラン地域共同体において、セレールの人びとによる塩づくりと塩田地帯におけるマングローブの分布について調査してきた.

 本発表では、塩田が造成によってできた微地形が、3種のマングローブの分布にどのような影響を与えているかについて報告する.

 

京都大学自然地理研究会

本サイト掲載の文章と写真の著作権は各執筆者と撮影者に、また人物写真の肖像権は被写体にあります。商用・非商用を問わず、あらゆるコンテンツの無断使用・転載を禁じます。画像の無断ダウンロード等も禁じます。 お問い合わせ:spg.kyoto[at]gmail.com

Copyright © 2011 自然地理研究会 All Rights Reserved

トップ 差分 一覧 ソース 検索 ヘルプ ログイン