:研究テーマ: 難民問題からみた紛争と平和構築に関する研究 :調査地(国、地域): ザンビア共和国西部州、アンゴラ共和国(予定) :関心のある分野: 紛争、難民、平和構築、人間の安全保障、国際関係論 :研究内容(これまでと現在): アフリカにおける難民問題は解決策がもらされないまま長期化の様相を呈しており、さらには難民が祖国へ帰還したのちも再び紛争の火種となることが報告されている。難民問題の解決は紛争 の根本的な解決と平和な社会の構築のために不可欠であり、本研究は難民問題を分析視角とした紛争・平和構築の再考を目的としている。これまでは庇護国における難民の状況を明らかにするため、ザンビア共和国西部州マユクワユクワ保護区において、アンゴラ難民に関する調査をおこなった。そこでは難民と地域住民の 間に社会的・経済的相互依存関係が構築されており、従来難民問題の解決策として重要視されてこなかった難民の「地域統合」の自然発生的な萌芽がみられた。 現在は、難民と庇護国および庇護国住民との関係に関する更なる分析を進める傍ら、アンゴラ本国への帰還を果たした難民がアンゴラで置かれている状況を明らかにし平和構築における難民 問題の諸相を分析するため、文献・資料の収集をおこなっている。 :略歴: 2006年 3月 京都大学法学部 卒業 2006年 4月 京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科 入学 2008年 3月 京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科 修士号取得退学 (地域研究修士) 2008年 4月 京都大学大学院法学研究科 法政理論専攻 博士後期課程 編入学 2009年 4月 京都精華大学 非常勤講師 現在に至る :業績: *【論文】 **中山裕美(2010)「アフリカにおけるリージョナリゼーションの展開−難民問題を扱う制度的枠組みの変容−」『国際政治』第159号、87−100ページ. **中山裕美(2008)「アフリカにおける難民の地域統合と人間の安全保障に関する研究−ザンビアのマユクワユクワ・セトルメントにおける事例の検討から−」京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究科 博士予備論文 *【学会などにおける口頭発表】 **中山裕美「アフリカにおけるリージョナリゼーションの進展−難民問題を扱う制度的枠組みの変容−」『日本国際政治学会2009年度研究大会』(神戸国際会議場、2009年11月6−8日) **中山裕美「アフリカにおける難民の地域統合に関する研究−ザンビアのマユクワユクワ・セトルメントの事例から−」『日本アフリカ学会第45回学術大会』(龍谷大学、2008年5月24−25日) **中山裕美「アフリカにおける難民の地域統合と人間の安全保障に関する研究−ザンビアのマユクワユクワ・セトルメントにおける事例の検討から−」『研究と実践を架橋する地域研究の未来−国際社会の現場からの提言−』(京都大学、2008年2月8日) *【その他】 **中山裕美「難民たちの異国での生活技法」『アフリカ研究最前線: 解る・アフリカ 第二回「和する」』講師(京都大学、2009年11月28日)