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受験を考える方へ

アフリカ専攻の特徴をあえて挙げるなら、以下の7項目になるでしょう。

1.多様な専門分野を横断する地域研究

現在のアフリカ地域を、研究者としてみていく場合には、ひとつの専門分野では限界があります。アフリカの実情を明らかにし、研究成果を出していくためには、さまざまな知識・手法をつかう必要があります。アフリカ専攻に所属する教員の専門は人類学や言語学、地理学、経済学、生態学、農学、生物民族学といった幅広い分野にまたがっており、実際に取り組んでいるテーマは農村開発、貧困削減、動物保全、砂漠化問題、在来作物の資源管理、コミュニケーションなどと幅が広いのが特徴です。また、外務省やJICA(国際協力機構)、世界銀行などと連携して、地域の問題に取り組み、研究成果の社会還元をめざす研究者も多くいます。幅広い専門分野、アフリカでの長期間にわたる研究活動の経験をもつスタッフがそろっていることに、強いプライドをもっています。

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入学してくる大学院生の専門も多様性に富んでおり、上記に上げた分野以外にも、国際関係や政治学、教育学、文学、心理学、社会学、建築学、環境科学、宗教学などを挙げることができます。また、他大学の大学院を修了した人や、アフリカでのNGOや民間企業での実務経験をもつ人、青年海外協力隊員の活動経験のある人が入学することもあり、留学生をふくめて、大学院生の経歴には多様性があります。アフリカ専攻では、文系・理系、専門分野に関係なく、自由に専門分野をまたぎ、地域の実情にあわせて問題を発見し、解決をめざすことのできる人材を育成しています。

2.フィールドワークの重視とユニークな研究成果

アフリカ専攻では、ほぼ全員の研究者がアフリカの特定の地域に渡航し、現地調査に従事するフィールドワークをおこなっています。フィールドワークには、いろいろなやり方がありますが、多くの大学院生は農村や都市に住み込み、そのコミュニティーのなかで暮らすか、あるいは京都大学フィールドステーションや当該国の大学の寮、ゲストハウスなどに暮らし、調査地へ通いながら調査をしています。調査地と研究テーマの選定は相互に関連し、非常に重要ですから、指導教員との相談で決まります。

調査の積み重ねのなかで、指導教員のアドバイスを受けながら、最終的には研究テーマを定め、調査に集中していきます。研究テーマによって、滞在期間の長さにはちがいがありますが、2回生で博士予備論文を書くまでに、4ヶ月から7ヶ月ほど調査へ行く人が多いようです。言語は、英語やフランス語などのほか、現地で使用されている言語(スワヒリ語、リンガラ語、アムハラ語、アリ語、ハウサ語、ガンダ語、ベンバ語など)を習得する人が多く、マルチ・リンガルの大学院生は多くいます。

これまでにフィールドワークの経験がない人でも、問題はありません。フィールドワークには、研究テーマの設定や調査に対するスタンスのほかにも、地域や民族に対する理解、言語の習熟、会話のつなぎ方、人柄、寛容さ、笑顔、酒の飲みっぷり・・etcといった側面も重要になります。すべてに秀でることはできませんし、もちろん、無理はできません。フィールドワークの基本については、1回生前期の講義・演習を通じて学習します。また、アフリカへ行く前の準備、渡航中については、アフリカ専攻の教員がきめ細やかに指導し、不安を感じるときには、いつでも、指導教員が中心となってサポートしています。最初は、不安を感じながらも、大学院生はアフリカで自分の生活スタイルをつくり、調査を繰り返す結果、データを積み上げ、アフリカ地域に対する深い理解にもとづきユニークな研究成果を生んでいきます。

3.対話を重視した教育活動と自主的な研究活動

新入生は4月に入学すると、5月中旬までに、主指導教員1名と副指導教員2名を選びます。各教員の授業を受講したり、研究室で教員から話しを聞くことで、指導教員を決めます。そして、3名の指導教員と相談をしながら、調査地や調査テーマ、渡航時期を設定していきます。調査は3ヶ月以上の長期におよぶこともありますから、調査の仕方やデータの取り方だけではなく、言語習得や衣食住の組み立て方、現地の治安状況や安全確保、マラリア予防薬の服用の仕方など、細かなことまで打ち合わせることになります。現地調査を教員と一緒にし、フィールドワークの基本を身につけ、飲食をもとにしながら濃密な時を過ごすこともあります。

帰国後には、持ち帰ったデータから論文を仕上げていく、論文指導もおこなわれます。大学院生の調査テーマやスタンス、扱うデータや論文の内容は、人それぞれです。アフリカ専攻では、大学院生の個性を重視しながら、手作りの教育を積み重ねています。大学院生は学会や研究会、シンポジウムでの発表、学術雑誌への論文の投稿、分担執筆、単著の執筆などを積み上げ、ユニークな研究成果を出しつづけています。

4.アフリカにおける臨地教育とサポート体制

アフリカ専攻は、京都大学アフリカ地域研究資料センターと連携しながら、研究活動と教育活動を推進しています。アジア・アフリカ地域研究研究科、およびアフリカ地域研究資料センターは、アフリカの主要な大学と交流協定を結び、教員、研究員および大学院生の交流をすすめています。交流協定のもとで、調査国の研究者をカウンターパートとし、大学院生は現地調査に従事しています。

エチオピア、ケニア、タンザニア、カメルーン、ザンビア、ニジェール(休止中)の6地点にはフィールドステーションを設置し、研究拠点としています。教員をはじめ、アフリカ専攻の卒業生、国内・海外の研究者ネットワークのもとで、研究活動に取り組んでいます。また、G-COEや大学院教育改革支援プログラムなど文部科学省や日本学術振興会からの支援や補助、JASSO(日本学生支援機構)などの経費、京都大学 臨地教育支援センターからの支援も受け、アフリカ渡航の費用の一部を補助し、大学院生の経済的な負担を軽減する努力もつづけられています。

5.勉学、研究活動に恵まれた環境

学生の町である京都は、首都・東京とは異なり、学問に没頭するには、めぐまれた環境にあります。京都大学は、地域研究の一大拠点で、アジア・アフリカ地域研究研究科のほかにも、アフリカ地域研究資料センター東南アジア研究所地域研究統合情報センターがあり、活発な研究活動が進められています。アフリカ地域に関する蔵書は、国内随一であり、そのコレクションは誇るべきものです。また、京都大学の学内で閲覧できる電子ジャーナルの種類も、他大学にはないもので、研究活動をすすめるうえで、大きな助けとなるものです。すべての大学院生には、1人に1台ずつ机と本棚が用意されています。

学内には地域研究とそれに隣接する数多くの専門家がおり、交流をもつことが可能です。アフリカ地域研究資料センターでは、年間に8回、第3木曜日にはアフリカ地域研究会、数多くの英語セミナー・シリーズKUASS (Kyoto University African Studies Seminar)が開催されており、さまざまな分野の専門家の話を聞くことができます。また、公開講座やシンポジウムなども不定期に開かれています。

ほぼすべての教員が日本学術振興会の科学研究費補助金、あるいは民間の研究助成によってプロジェクトをもっています。数多くのプロジェクトが走り、専門性の高い研究会も多数、開かれているのも大きな特徴です。大学院生は、これらの研究会に参加し、多くの知識やアカデミック・マインドを身につけ、人的ネットワークを広げることが可能な環境で、研究活動に従事できます。

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6.多種多様なアドバイスを受ける水曜ゼミ

わたしたちは、毎週、水曜日の午後にゼミを開催しています。このゼミは「水曜ゼミ」と呼んでいます。ふつうの大学院では、ゼミは講座単位でおこない、1人または少数の教員で指導がおこなわれますが、アフリカ専攻では講座を単位とすることなく、専攻単位でゼミを開催しています。すべての大学院生は、主指導教員の所属するひとつの講座(「地域生態論」、「民族共生論」、「地域動態論」)に所属しますが、アフリカ専攻の水曜ゼミに参加することになります。

大学院生はアフリカへ渡航する前、渡航した後、予備論文博士論文の提出前、公聴会の練習、学会発表の準備、論文の投稿前などに、ゼミ発表をします。水曜ゼミでは、その大学院生の指導教員であるかに関係なく、教員や研究員、先輩や後輩から多くのアドバイスを受け、研究に必要なさまざまな技法を身につけていきます。

水曜ゼミとは別の場で、興味・関心のちかい大学院生が集まって、研究会や勉強会、読書会、映画鑑賞会などを開くこともあり、また、水曜ゼミを補完するかたちで、少人数の自主ゼミが開催されることもあります。

7.多様なキャリア・パスの支援

アフリカ専攻修了生の就職先は多様です。大学の教員や研究員はもとより、アフリカと関連する民間企業(メーカー、建設、商社、観光・旅行、情報通信など)、NGO・NPOに就職する人も多くいます。あるいは、海外とは直接、関連のない民間企業や公務員への道をすすむ人も少なくありません。中学や高等学校の英語や社会科の教員になる卒業生もいます。アジア・アフリカ地域研究研究科のキャリアデベロプメント室による協力のもと、アフリカ専攻では大学院生みなさんの希望にあわせた進路選択を応援しています。

本研究科は博士5か年一貫制で、5年間の在学を基本としています。しかし、入学前から5年間にわたってアフリカ研究に打ち込むのには不安がよぎるでしょう。経済的な負担が気になる人もいるでしょう。2年で博士予備論文を提出し、修士号を取得して、卒業することも可能です。不安がよぎる人は、ぜひ、研究室を訪問し、教員に相談し、不安をぶつけてみてください。日本企業も、東南アジアやアフリカ、中南米など世界各地の社会にとけ込める人材を欲しており、アフリカで現地調査の経験があるグローバルな人材を多く必要としています。研究者だけではなく、民間企業、教員(中学・高校)、公務員(国際、国、地方)など活躍できる分野は無限にあり、幅広い分野で活躍する人材育成にむけて努力を続けています。

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京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科 アフリカ地域研究専攻

〒606-8501 京都市左京区吉田下阿逹町46 

Tel: 075-753-7800 (専攻事務室) Fax: 075-753-9191