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WWF(World Wide Fund for Nature)

WWF(World Wide Fund for Nature)の活動:とくにジェンギ・プロジェクトについて

(写真左上:ヤウンデにあるWWFオフィス。写真右上:ヤウンデ市内にあるWWFの看板(写真撮影/服部)。)

WWFは1961年に絶滅の危機にさらされている野生動物を救うために、設立された自然保護団体である。現在は、野生動物の保護だけでなく、生態系全体を保全することを目的としている。スイスのジュネーブに本部があり、世界の40カ国に支部がある。100カ国において約2000のプロジェクトを行っており、約4000人のスタッフが働いている。中央アフリカには、カメルーンのヤウンデ、中央アフリカ共和国のバンギ、コンゴ民主共和国のキンシャサ、ガボンのリーブルビルに支部がある。特に、ヤウンデ支部はCARPO (Central Africa Regional Program Office)と呼ばれ、中央アフリカにおけるプロジェクトを総轄する上で重要な役割を果たしており、Tchamba Martin氏を支部長として、約30名のスタッフが働いている。

現在、カメルーンにおいては、生物多様性が高いと言われている4つのエリアでプロジェクトが行われている(以下参照)。北部州のベヌエ(Benoue)、ファロ(Faro)、ブバ・ンジダ(Bouba Ndjida)国立公園とその周辺エリアで行われている「北部サバンナ・プロジェクト」、南部州のカンポ―マン(Campo-Ma’an)国立公園とその周辺エリアで行われている「カンポ―マン・プロジェクト」、南西部州の保護区(現在、国立公園に申請中)であるバコシ(Bakossi)山脈、カメルーン (Cameroon) 山、クペ(Kupe)山、ムヮネングバ(Mwanenguba)山、ロナコ(Nlonako)山、エボ(Ebo)低地林とマコンベ(Makombe)低地林、そしてドンゴレ(Ndongore)マングローブ林と周辺エリアで行われている「海岸林・プロジェクト」、東部州のロベケ国立公園と保護区であるブンバ・ベック(Boumba・Bek)とンキ(Nki)地区(現在国立公園に申請中)とその周辺エリアで行われている「ジェンギ・プロジェクト」である。また、大きなプロジェクトは行っていないが、南西部州のコーラップ国立公園やメンガメ(Mengame)ゴリラ保護区(現在、サンクチュアリーに申請中)において、密猟監視のためのパトロールや、特にゴリラやチンパンジー、ゾウなどの絶滅危惧種のモニタリング調査を行っている。

これらのプロジェクトの中で最も規模が大きくWWFが力を入れているのが「ジェンギ・プロジェクト」で、プロジェクト・エリアは80万ヘクタールにも及ぶ。東部州ブンバ・ンゴコ県の県庁所在地であるヨカドマにオフィスがあり、プロジェクト・マネージャーのLeonard Usongo氏を含む43名のスタッフが働いている。1990年代、後述するWCS (World Conservation Society)などによって動物相に関する基礎的な調査が行われ、ロベケ、ブンバ・ベック、ンキ地区の生物多様性の高さと保護の必要性が指摘された。その後、植物相や地域住民に関する調査などをWWFが引き継ぎ、1998年から、3つのエリアの国立公園化とその周辺エリアの持続的な利用を目標として「ジェンギ・プロジェクト」が本格的に始まった。環境・自然保護省(Minist?re des l’Environnement et de la Protection de la Nature)とUTO (Unit? Technique Operationelle )と呼ばれる技術協定を結び、ドイツの援助団体であるGTZとともに地方自治体による自然資源の管理をサポートしている。

WWFは、動植物相などの生態調査やモニタリング、違法伐採や密猟の取締りを行っており、GTZが環境・自然保護省とともに、地域住民を対象として資源の持続的利用に関する調査と環境教育を行っている。プロジェクトにおいて、土地は国立公園と一般狩猟区、共同管理狩猟区に区分され、これらの区域ごとに利用の方法が決められている。地域住民が恒常的に利用できるのは共同管理狩猟区であり、地域住民はここにおいて持続的な資源利用を行うことが求められる。またこれとともに、ゴリラやチンパンジーなど保護種の狩猟禁止や、あらゆる動物の売買禁止、さらには狩猟期や狩猟法の規制などについて決められた森林法が施行されている。環境教育では、このような保護計画の内容と地域住民の役割が説明される。環境・自然保護省とGTZは、現在もなお、住民を対象にした環境教育を継続しており、WWFは新たに、ロベケ国立公園におけるエコツーリズムの開発や、衛星を使ったモニタリング調査によるゾウの違法な狩猟の取り締まり(MIKE= Monitoring Illegal Killing of Elephants Program)に力をいれている。「ジェンギ・プロジェクト」が始まって3年後の2001年に、英王室のエジンバラ公の訪問等の効果もあり、ロベケが国立公園として認定された。しかし、ブンバ・ベックとンキ地区は現在もなお国立公園としての承認を申請中であり、政治的なレベルにおいて、これら2地区の国立公園化が大きな課題となっている。WWFの資金提供者はプロジェクトごとに異なっているが、「ジェンギ・プロジェクト」は、WWFのほかに、アメリカの援助機関であるUS-AID や国連(新たな世界遺産のための国連基金)、ドイツ政府(500万ユーロのロベケ基金)などにサポートされている。 

カメルーンにおけるWWFのプロジェクト

●「北部サバンナ・プロジェクト:1997年〜」オフィス:北部州ガルア 責任者:Paul Donfack 氏

●「カンポ―マン・プロジェクト:2001年〜」オフィス:西部州カンポ 責任者:Tchikangwa Bertin氏

●「海岸林・プロジェクト:2001年〜 」オフィス:西南部州リンベ 責任者:Atanga Ekobo氏

●「ジェンギ・プロジェクト:1998年〜」オフィス:東部州ヨカドマ 責任者:Leonard Usongo氏

[WWF-Cameroonヤウンデ・オフィスの所在地]

WWF CPO, Immeubla Panda, Rue La Citronelle BAT Compound, P.O. Box 6776, Yaounde, Cameroon

TEL: (237) 221-62-67 FAX: (237) 221-70-85

 なお、ヤウンデのWWF-Cameroonの資料室において、カメルーン東部州の保護区及びその予定地区に関する調査報告書を収集した。収集資料は、動物相や植物相に関するもの、非木材森林産物・エコツーリズム等に関する調査、保護計画と地域社会の関係に関する調査、保護計画の概要や進行状況に関するレポートなどに分類した。これらの報告を概観すると、WWFの活動が基本的にTropical Forest Internationalの枠組に沿って進められながらも、しだいに、「熱帯雨林の保護」という「グローバルな」目的を達成するために、地域の住民生活にも配慮する姿勢を示すようになっていることが読みとれる。

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