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矢野原佑史

関心分野

音楽人類学, 映像人類学, 地域研究

https://www.youtube.com/watch?v=RipcX0615z4

研究テーマ

アフリカ中西部に位置するカメルーン共和国において、音文化に関するフィールド・ワークを行っています。熱帯林地域にて紡がれる在来の音文化と、都市において若者たちが創出する最新の音文化の双方を研究することで、現代アフリカにおける音文化の現状と動向について考察しています。

■カメルーン東南部熱帯林地域に暮らすピグミー系狩猟採集民Bakaの音文化

研究者のみならず、一般の音楽愛好家の間でも、ピグミーの音文化の豊かさは広く知られています。私自身も彼らが奏でる美しいポリフォニーや、独特のグルーヴを持つポリリズムに魅力を感じ、研究の対象に選びました。そのような音文化が生まれる環境や社会、また熱帯林の環境音と彼らの生活の関係性などに興味を抱いたのです。これまで、インタラクション・ツールとしての音のあり方や、日常におけるリズムの役割、女性たちのポリフォニーなどについて調査をしてきました。

また、Bakaの豊かな音文化のひとつに、「リカノ」と呼ばれる口頭民話伝承があります。語り手のみならず、そこにいる大勢が歌と手拍子により積極的に話に参加するリカノには、森での生活に関する智慧や彼ら独特の機知が込められており、貴重な文化遺産であると考えられます。しかし近年では、伝統的なリカノの内容やそれに付随するリズムやメロディーを知らない若者が増えてきているのが現状です。

研究を通して、彼らの持つ知識や文化を、次の世代や世界へとつなげていくこと、また、やがては日本の音文化や民話などとも比較していくことを目指しています。

首都ヤウンデにおいて実践されるヒップホップ・カルチャー

カメルーンの首都ヤウンデにおいて、若者たちが日常において創出するヒップホップ・カルチャー、特に即興性の強いラップなどで歌われる歌詞の内容に着目し研究しています。カメルーン共和国は、元イギリス領の西カメルーンと、元フランス領の東カメルーン(現在10ある州の内、8州を占める)が合併する形で1960年に独立しました。カメルーン国内ではマイノリティーであるアングロフォン(英語話者)と、マジョリティーであるフランコフォン(仏語話者)の双方の視点を比較するため、彼らと共に生活するうえで知る彼らの日常と楽曲中で演出される姿を照らし合わせ、現代カメルーンを生きる若者たちによる文化創出の過程とその意義、彼らの世界観の考察に取り組んでいます。調査方法として、楽曲・映像制作に調査者自身もアクターのひとりとして直接的に参与することで、それらが生まれる過程と結果を考察しています。これまでのヒップホップをはじめとした若者の大衆音楽に関する研究では、製品化されたCDやテープなどに収録された楽曲やその歌詞が主な分析対象とされてきましたが、本研究ではそこに至るまでの制作過程も重要な分析対象として取入れています。

(2012年11月 現在)

研究歴

2005年4月 ASAFAS入学

2005年11月 21世紀GCOEにより、カメルーン共和国東南部の熱帯雨林においてピグミー系狩猟採集民Bakaを対象とした音楽人類学的調査、ならびにカメルーン共和国首都ヤウンデにおいてヒップホップ・カルチャーを実践するアングロフォン(英語話者)の若者を対象とした文化人類学的調査(〜2006年2月)

2007年1月 「魅力ある大学院教育」イニシアティブ「臨地教育研究による実践的地域研究の養成」により、カメルーン共和国首都ヤウンデにおいてヒップホップ・カルチャーを実践するアングロフォンの若者を対象とした文化人類学的調査 (〜2007年10月)

2008年7月 博士予備論文提出

2009年6月 「魅力ある大学院教育」イニシアティブ「臨地教育研究による実践的地域研究の養成」により、カメルーン首都ヤウンデにおいてヒップホップ・カルチャーを実践するフランコフォンの若者を対象とした文化人類学的調査 (〜2009年8月)

2011年11月 JASSOフィールドワーク・インターンシッププログラムにより、カメルーン共和国東南部の熱帯雨林においてピグミー系狩猟採集民Bakaを対象とした音楽人類学的調査 (〜2012年1月)

(2012年11月 現在)

学術論文、著書

(学術論文)

■2008年7月

矢野原佑史.「カメルーン・ヤウンデの若者により実践されるヒップホップ・カルチャーに関する研究 −アングロフォンの若者が生きる日常と彼らが見る世界−」.博士予備論文(修士号学位論文相当).京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科.

(編著書)

■印刷中

矢野原佑史. 「『ヒップホップとインターネットがつなぐ都市・若者・世界・未来』−カメルーン・首都ヤウンデにおけるヒップホップ・カルチャーの歩みから−」. 嶋田義仁編.『カメルーンを知る60章』明石書店.

■2010年3月

矢野原佑史.「音響空間としての森と子どもたち」木村大治北西功一編『森棲みの社会誌: アフリカ熱帯林の人・自然・歴史 II』323‐326. 京都大学学術出版会.

(2012年12月 現在)

学会・シンポジウム等における発表

(口頭発表)

■2012年12月

矢野原佑史「カメルーン東南部熱帯林の環境音に関する考察」中部アフリカ研究会、於京都大学

■2012年7月

Yushi, YANOHARA. “Hip-Hop Culture Practiced by the Youths in Yaounde, Cameroon - Observing Their Image and Sharing the Process of Music and Video Creation” 、フィールドワーク・インターンシッププログラム研究発信トレーニング、於京都大学

■2012年5月

Yushi, YANOHARA. “The Relationship between the Daily Life of the Baka and Bird Calls in Southeast Cameroon”, 13th Congress of the International Society of Ethnobiology, Montpellier, France.

■2008年11月

矢野原佑史.「〈リアル〉を演じるエンターテイナー:カメルーン首都ヤウンデにおいてヒップホップを実践するアングロフォン」 Pop Africa アフリカの今にノル?!―ポピュラーカルチャー研究への招待 於 国士舘大学

(映像作品上映)

■2012年7月

Yushi, YANOHARA『How I See』, Anthro-Film Laboratory, Osaka

(ポスター発表)

■2010年9月

Yushi, YANOHARA, Sonic Synchronicity in the Daily Life of Baka Pygmies in South-East Cameroon, International Conference on Congo Basin Hunter-Gatherer, Montpellier, France.

(セミナー発表)

■2011年7月

Yushi Yanohara, The Roots of Hiphop - born in the USA or organic to Africa?、アフリカ地域研究専攻ゼミ、於京都大学

■2009年12月

矢野原佑史『カメルーン東南部・ピグミー系狩猟採集民Bakaの日常におけるリズムの同期に関する考察』、アフリカ地域研究専攻ゼミ、於京都大学

■2008年6月

矢野原佑史「カメルーン・ヤウンデの若者により実践されるヒップホップ・カルチャーに関する研究−アングロフォンの若者が生きる日常と彼らが見る世界−」、アフリカ地域研究専攻ゼミ、於京都大学

(2012年12月 現在)

その他

(講演)

■2011年2月

「カメルーンの熱帯雨林地域に暮らす"森の民・ピグミー" の音楽文化」, 於旅行会社道祖神アフリカカルチャー講座

(アフリカ関連の通訳業務)

■2012年10月 

Randy Weston & Billy Harper(African Rhythms Duo) 来日コンサート,於上賀茂神社,京都 

■2010年10月 

南アフリカ出身ジャズピアニスト Abdullah Ibrahim (旧名Doller Brand) 来日コンサート,於上賀茂神社, 京都

(2012年11月 現在)

講演等に関するお問い合わせ

yanohara(アットマーク)jambo.afirca.kyoto-u.ac.jp