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バクエレの変更点

+目次
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+!!!「バクエレ」とは?
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+バクエレは、ガボン北部、コンゴ共和国北西部からカメルーン東南部まで、赤道に沿うように、西中央アフリカに帯状に横長に分布しているバントゥー系の民族集団のひとつ。バントゥー系の人々は、現在から3000年以上前に現在のカメルーンとナイジェリアの国境地帯のサバンナから移動をはじめ、現在に至るまでアフリカ熱帯林のなかで移動と定住を繰り返してきた。バクエレは、サバンナから直接南下して熱帯林に入り、拡散した西バンツー系に属する。
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+バクエレという民族名は、他のバンツー系言語におけるのと同様、人間のクラスの複数形接頭辞「バ」が「クエレ」に着いた形で、直訳すれば「クエレがいっぱい」ということになるが、今日この「クエレ」に特定の意味が認められているわけではない。ジャー川(Dja River)、ンゴコ川(Ngoko River)、イビンド川(Ivindo River)沿いにエバー(ebaa)、メクオーブ(mEkuo:b)、エビット(ebit)、メ・ベーザ(mE-be:za)、エセル(Essel)の5つのサブ・グループが、それぞれ水系を境に地理的に住みわけている。
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+カメルーンには、エセルと、エバー、メクオーブ、そしてバクエレ・ジャーコが居住している。フィールド・ステーション付近のバクエレ・ジャーコ(ジャー川上流のバクエレ)と自称するグループの民族的アイデンティティは複雑で、少なくとも過去100年間における民族集団の再編過程により、バクエレだけでなく、ジェム、コナベンベをかつての出自集団とする複数の拡大家族の間で、女性の交換による通婚関係を重ねることによりできあがってきたと推測される。
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+ふだん使用される言語は、バクエレ語(Zone A: A-85b)とフランス語であるが、コンゴ盆地西中央部における地域共通語であるリンガラ語に堪能な者も多い。高齢者の中には、コナベンベ語やジェム語に堪能な者もいるが、下の世代にはほとんど継承されていない。バカ語とは系統の異なるウバンギアン系に属するバカ語は、バカ・ピグミーとの交渉や共同作業のさいに両者の間で使われることがある。
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+!!!自然環境と生活空間
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+バクエレが居住するコンゴ盆地北西部は、例えばカメルーン東南部では年平均気温25度前後、年平均降水量1500〜1600ミリ前後と高温多湿な熱帯林環境である。年2回、交互に訪れる雨季(小雨季:4−6月、大雨季:9−11月)と乾期(小乾期:7−8月、大乾期:12−3月)が、比較的明瞭に季節を区切る。
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+植生は、半落葉性熱帯林と川辺林、湿地(スワンプ)林によって構成され、さらに点状にサバンナが混じる。大乾期の1−3月には、林冠を構成する高木種でも、葉を落とすものが少なくない。さらに、定住集落周辺や放棄集落・キャンプ跡には焼畑農耕などの人為による、異なる遷移段階の二次林を見ることができる。大雨季後半には、川の氾濫が起こり、湿地が広がり、乾期になると一気に水が引いていく。水位変動は、川幅の狭いところでは、5−10mに達する。
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+バクエレは、川沿いの居住を好むが、集落が作られるのは、岸辺でも氾濫期にも水がこないような、高いところである(ただし、最近は林道の完成にともない川から離れた道路沿いに住むことが増えている)。
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+!!!生業と経済
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+バクエレは、焼畑農耕を生計基盤としているが、農耕以外にも漁労、狩猟、採集を行う複合的な生業経済を営むマルチ・サブシステンシストである。雨季は、村で過ごされることが多いが、乾期にはジャー川沿いに森の奥へと入って、漁労キャンプでの生活を楽しむ。
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+焼畑には、自給用の一時的な畑と換金作物であるカカオのためのプランテーション(常畑)の2種類がある。自給用の畑では、プランテン(リョウリバナナ)とマニオク(キャッサバ)を中心に、アメリカサトイモ、トウモロコシ、サツマイモ、ラッカセイ、カボチャ、オクラ、サトウキビ、ナス、モロヘイヤなどの作物が栽培されるが、収穫物のほとんどは自家消費されるか、せいぜい村の範囲内で交換・売買される。現在の最大の現金収入源は、カカオ栽培によるカカオ豆生産である。