アフリカ専攻の受験に関するQ&A

アフリカ専攻の受験に関するQ&A

これまで、オープンキャンパスや研究室訪問で受けた質問を中心に、Q & Aにまとめました。
Q1.海外へ行くのは初めてですが、大丈夫でしょうか。

A1. 大丈夫です。心配はする必要はありません。かならずしも海外へ行った経験がある必要はありません。海外へ行った経験がなくても大丈夫です。海外へ行くのが初めてで、パスポートを入学後に取得するという大学院生もいます。ただし、入学する大学院生をみていると、学生時代などに海外へ行った経験のある人が多いのは確かです。海外旅行では、外国語の使用や町歩きの経験、お金の使い方、楽しみ方など、フィールドワークの楽しさと通じるところもあります。しかし、不安なときには、指導教員の現地調査に随伴し、実際にアフリカでの滞在の仕方や楽しみ方、研究手法を身につけることも可能です。

Q2.これまでフィールドワークをした経験がないので、不安なのですが、大丈夫でしょうか。

A2. フィールドワークの経験がなくても、大丈夫です。入学する大学院生をみていると、フィールドワークの経験のない人は多くいます。フィールドワークを学部時代に経験するのは、人類学や地理学、農学、生物学など、一部の分野に限られ、いまの大学教育では安全性を重視するがあまり、野外での研究を敬遠する動きもないわけではありません。アフリカ専攻でのフィールドワークは、人それぞれで、みなさんのやりたいテーマや国・地域によって、やり方も大きく異なります。住民への聞き取り、植物の生態や土壌の調査、狩猟・採集民や牧畜民の集落での住み込み、農村での共同労働、政府機関などでのインタビュー、公文書館における資料収集などを通じて、現地調査に取り組んでいます。入学後、1年生の夏休みまでに、地域研究とフィールドワークに関する基礎的な知識と技法を習得し、周囲の教員や研究者のやり方をまねながら、自分流のフィールドワークを組み立てていくことになります。

Q3.アフリカは怖いところだというイメージがありますが、どのような安全対策をとっていますか?

A3. 日本社会で報道されるアフリカは、内戦や紛争、貧困、感染症といったニュースが多く、貧しく、怖いところというイメージが先行しています。たしかに、そうした問題を抱えている地域が存在するのも事実です。わたしたちは、そうした先入観を排除して、アフリカの実情を見ることに努めると同時に、安全に留意したうえで、研究活動を従事しています。内戦や紛争のなか、現地調査をすることはありませんし、危険な感染症が蔓延するなか、滞在しつづけることもありません。アフリカ専攻におけるフィールドワーク安全基礎情報、アジア・アフリカ地域研究研究科の隣地研究マニュアルをご覧ください。安全を十分に確保したうえで、研究活動に従事しています。

Q4.アフリカで病気になることはないのですか。

A4. アフリカでは、コレラや狂犬病、破傷風、A型肝炎、B型肝炎、マラリアなど、日本の生活ではそれほど心配のいらない感染症が存在します。病気になるリスクは、日本で生活しているよりも高まりますが、それほど心配する必要はありません。予防注射を受ける、生水は飲まない、なるべく蚊にさされないようにする、マラリアの予防薬を服用するなど、基本的なことを心がけることで、大幅にリスクを下げることはできます。このような病気に対する基礎知識については、1年次の前期に「熱帯病学」を通じて習得することができますし、毎年、5月ころには予防注射や病気に関するレクチャーを実施しています。無知で恐怖をもつのではなく、みなさんが知識をもって予防、対処できるようにしています。また、エボラ出血熱の感染国への渡航は自粛し、滞在国で発生した場合には、海外・国内の報道の入手に努め、在外公館(日本大使館)と密接な連絡のうえ、滞在予定の可否を判断しています。

Q5.大学院生は、調査地や研究テーマをどのように決めているのでしょうか。

A5. 受験の出願どきには、調査地や研究テーマを設定し、自己推薦書を書いていただいています。その自己推薦書の研究内容のままで、大学院の入学後に研究に着手する人は、どちらかというと少数派になります。地域研究には、これまで培ってきた伝統と研究のフロンティアが存在します。入学後に水曜ゼミや授業(講義、演習)、教員との面談、周囲の先輩や研究者などとの交流を通じて、地域研究の伝統と研究のフロンティアを考え、みずからの学問的関心や興味を内省し、調査地や研究テーマをしぼっていきます。調査地や研究テーマの設定には、指導教員や周囲の研究者から投げられるコメントをうまく取り入れる、柔軟さも必要になると思います。

Q6.渡航期間は、どれくらいなのでしょうか。

A6. これも、研究テーマなどと関連し、いちがいに期間をいえるわけではありませんが、1年次の大学院生はだいたい、夏休みのはじめ、7月下旬から8月初旬から、秋の10月、11月ころまでにアフリカへ出発し、3ヶ月間ほどの調査をしてきます。2年次にも、3ヶ月くらいの調査をおこないます。3年次から4年次になると、6ヶ月から1年ほどの現地調査に出かける人が多くいます。1年次から、いきなり1年間の調査に出かかけるということは、まず、ありません。1年次の場合、研究テーマや現地調査のスタンスがさだまっていないことが多く、いきなり、1年以上の長期にわたる調査は勧めていません。

Q7.渡航費用はすべて自己負担なのでしょうか、サポートなどはあるのでしょうか。

A7. アフリカでの研究活動には、お金がかかります。査証や調査許可の取得、予防注射の接種、航空運賃、海外旅行保険の加入、現地での滞在費、とくに調査助手への謝礼を支払いなどに多額の費用がかかります。滞在費は、国によって物価が大きく違いますし、都市に居住するか、農村に居住するかによっても変わります。京都大学アジア・アフリカ地域研究研究科では、これまでに日本学術振興会のG-COEや大学院改革プロジェクトなどに採択され、現在も京都大学臨地教育支援センターとの連携のもとでJASSO(日本学生支援機構)の海外派遣プログラムをはじめ、さまざまな外部資金を獲得し、大学院生の渡航費用をサポートすべく努力を続けています。

2年次以上の大学院生には、日本学術振興会の特別研究員(DCやPD)、京都大学教育研究振興財団や民間の研究助成へ申請し、なるべく、自前で研究費を取得することも奨励しています。文科省は、海外での研究、留学を奨励していますから、さまざまな募集があり、大学院生は積極的に応募しています。そのためにも、研究業績を積み上げていく、日頃の努力と鍛錬は必要となります。

Q8.アフリカには興味があるのですが、どんなテーマを設定すればよいのか、分かりません。

A8. 研究室訪問をする学部4年生の方から、すくなからず、テーマの設定をどうしたら良いのかという相談を受けることが少なからず、あります。地域研究という学問分野に入る場合には、テーマから入る場合と地域から入る場合、どちらもありますが、原則、研究テーマは自分で決めなければなりません。

教員によってスタンスは多少、ちがうでしょうが、アフリカ専攻では、基本的にプロジェクト形式で大学院生に研究分野のパートを割り当てることによって教育することはしていません。

アフリカ専攻では、みなさんの自主性を大切にし、みなさんの問題意識や学問的な関心を重視しています。ですから、その問題意識や関心事項を見つけ、研究室訪問どきに教員へ投げかけるようにしてください。研究のフロンティアを知り、問題意識や関心事項をみつける際には、「受験前に読んでほしい文献リスト」を読んでください。

Q9.アフリカ専攻では、指導教員は、どのように決まるのでしょうか。

A9. アフリカ専攻では、大学院生が判断し、主指導教員1名と副指導教員2名を決めています。5月のゴールデンウィーク明け、5月中旬には指導教員を決めるように推奨しています。入学前から、主指導教員を決めて入学してくる大学院生も多くいますし、あるいは、入学後に、講義・演習を受けたり、教員と面談を繰り返すなかで、指導教員を決める大学院生もいます。

入学の前後には教員と面談を繰り返し、よく相談することをお勧めしています。2014年度から、合格者に対して10月ごろに入学前の懇談会も開催し、4月からの良いスタートダッシュを切る準備もしています。

Q10.5カ年一貫の大学院ですが、5年間も研究に従事する自信がありません。

A10.なるべく5年間、研究に従事したいという意欲の高い人に入学してほしいとは思っていますが、同時に、2年間、あるいは3年間の大学院生活ののちに就職することも可能です。アジア・アフリカ地域研究研究科は5カ年一貫性の博士課程ですが、2年次で博士予備論文を執筆し、修士の学位を習得して、修了することも可能です。ただし、2年次修了とともに、就職しようとすると、就職活動や採用試験とアフリカでのフィールドワークの時期が重複することもありますので、時間の調整が必要になります。在籍が2年間、あるいは5年間にしろ、アフリカの地域に根ざし、ふかく研究するスタンスを身につけ、社会にとびたってほしいと思います。博士予備論文を執筆し、修士の学位を取得し、社会で活躍している卒業生は多数、存在します。

Q11.アフリカ専攻の卒業生の進路はどのようなものでしょうか。

A11. 卒業生の進路は実にさまざまです。ひきつづき研究者になる卒業生も多く、大学教員になる人もいます。学会の賞などを受賞し、高い評価を受ける卒業生も多くいます。高校や中学の教員(英語や社会科)、公務員(国家、地方)になる卒業生もいます。民間企業については、近年とみに、国内企業・外資系企業ともに、海外で活躍できる人材を必要としています。アフリカ以外の海外に派遣される人もいますが、アフリカ専攻で習得した知識や技能、人との接し方や社会との向き合い方などの経験、自分で研究課題を設定し、解決するというデザイン能力は、高く評価されています。もちろん、アフリカや海外と関連のない業種に就職する卒業生も多くいます。詳しくは、修了者の進路をご覧ください。

Q12.地域研究は、経済学や人類学など文系のイメージがありますが、理系出身のわたしでも大丈夫でしょうか。

A12. はい、大丈夫です。地域研究は、文系・理系にまたがる学際的な研究分野です。現在のアフリカを対象に研究する場合、複雑な事象が多く、既存の学問分野、つまり、人類学や社会学、地理学、生態学、農学、経済学だけでは対処しきれなくなっています。これらの分野を横断し、学問分野に関係なく、地域の自然、社会、文化、経済、政治などの実情を調査するというのが地域研究です。 アフリカ専攻には、教員のなかに理系出身者が多くいますし、農学部や理学部のひと講座が所有する実験室にも見劣りしない、実験室がそなえられています。土壌や植物、水の環境分析、気象観測や地形測量、衛星画像の解析やGIS(地理情報システム)などの設備・備品もあります。理系出身者は、フィールドワークやラボワークで使える技能をもっていることが多く、スムーズに地域研究に入ることができるメリットもあると思います。臆することなく、地域研究の世界に飛び込んでください。

Q13.在職中ですが、学業と仕事との両立は可能でしょうか。

A13. お仕事の内容にもよりますが、一般的な話として、大学院での学業と仕事の両立は、簡単なことではないだろうと思います。アフリカ専攻において、社会人が抱える学業の問題についていうと、おもに、単位の取得とアフリカにおけるフィールドワークをどうこなすのかという問題があります。単位については、ほぼすべての学生が1年次の前期に、かなりの必要単位をそろえます。1年次の前期にまとめて単位を取得しないにしろ、月曜日の午前と午後に開講されている必修の授業と水曜日のゼミには参加する必要があります。フィールドワークに出かけるにしても、職場での理解や同僚の協力は不可欠でしょうし、ときに休職などが必要になるのかもしれません。詳しくは、研究室訪問で、教員に相談してみてください。