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フィールドワークのための安全基礎情報

アジア・アフリカ地域研究研究科 アフリカ地域研究専攻 / 京都大学アフリカ地域研究資料センター

京都大学アジア・アフリカ地域研究研究科アフリカ専攻とアフリカ研究資料センターでは、アフリカで安全に研究活動に従事するために、いくつかの決まりをもうけています。アフリカ専攻に入学を希望するみなさんには、過度な心配・不安をもつことを避けてほしいため、基本的な決まりについて記しておきます。

入学後のオリエンテーション(4月)、5月の「水曜ゼミ」において専攻の構成員全員に対して、安全に調査をおこなうために重要なことについて詳細な説明をおこない、情報の共有を繰り返しています。また、調査国の動向・情勢の変化にしたがって、教員は、適宜、大学院生にアドバイスをしています。注意深く情報収集に努めることにより、アフリカにおいて、楽しく、実り多いフィールドワークに取り組むことができます。

渡航前

1.調査地の選定

治安状況や感染症の状況を十分配慮し、外務省の海外安全ホームページ、国内・海外の報道から情報を入手したうえで、指導教員との相談のもとで、大学院生は調査地の選定とテーマの確定をしています。調査予定地が決まったら、多くの国で必要な査証、調査許可などの取得手続きについて学び、指導教員のアドバイスを受けながら実際に手続きに着手します。これに加えて、渡航先の研究者、在留邦人などと連絡をとりながら、現地の治安状況や注意事項などを確認します。新入生は、渡航前のゼミ発表で、予定している安全対策について発表し、教員や先輩の研究者からアドバイスをもらいます。

2.海外旅行保険の加入と必要書類の提出

アジア・アフリカ地域研究研究科では、より安心して調査研究に従事するために、各個人が海外旅行保険に加入することを義務づけています。それに加えて、研究科は日本アイラックの団体保険に加入しており、教員や大学院生は事故時の救出費用などのサポートを受けることができます。海外旅行保険の会社はアフリカやヨーロッパ、日本の医療機関、航空会社などと強いネットワークがあり、緊急時サポートのノウハウの蓄積がある保険会社を選んでいます。

研究科は大学院生をはじめ、すべての構成員にたいして、海外渡航の際に日程表や緊急連絡先(アフリカの調査国と日本の両方)、海外旅行保険書のコピー、eチケット、パスポートと予防注射証明書のコピーなどを提出することを義務づけています。教員は、緊急時にはオンライン上でこれらの情報にアクセスし、迅速に対処できる体勢をととのえています。

3.予防接種や携行薬の準備

毎年、前期には「熱帯病学」の授業を開講しており、1回生の大学院生は関西医科大学の西山利正先生から、熱帯の伝染病のメカニズム、注意点について講義を受け、基本知識を習得しています。予防注射については、アフリカの多くの国々で調査をするうえで、黄熱病、A型肝炎、破傷風、狂犬病の接種は必須です。それに加えて、B型肝炎、コレラなどの接種を推奨しています。予防接種を受けることができる医療機関など安全に関する基本的な準備については、5月の「水曜ゼミ」にて説明しています。

携行薬については、風邪や下痢止め、虫さされ、目薬、日焼け止めなどのほか、日本において服用している持病の薬なども準備します。渡航前には虫歯の治療を済ませておきましょう。眼鏡やコンタクトレンズの予備も必要です。これらの情報も、毎年5月に説明があります。調査国でマラリアの予防薬をどう入手するのか、現地での薬局の所在などを確認します。

渡航後

1. 調査前

  1. かならず大使館に在留届を出します。ネット上で外務省ORRnetによって在留届を出すことが可能です。長期滞在の場合には、大使館の担当者を確認します。
  2. 調査国の政府、地方自治体などの行政機関、警察などに調査目的の滞在であることを報告します。
  3. 現地で購入した携帯電話の番号やメール・アドレスをかならず、家族や指導教員などへ知らせます。
  4. 指導教員に定期的に連絡し、安全を報告します。

2. 調査地での過ごし方

調査地でより安全に安心してフィールドワークをおこなっていただくために、研究科では以下のことを義務づけています。

  1. パスポートのコピー、調査許可書・在留許可書などのコピー、海外旅行保険証書のコピー、海外調査中の連絡先などを常時、携帯する。原本を携行せず、安全な場所に保管しておくことをすすめます。
  2. トラブルを避けるために、単独行動を避けることを心がける。また、人気のないところや夜間の行動は極力避ける。不用の場合には、銀行や両替所に近づかないことをすすめます。
  3. 麻薬や覚醒剤などの薬物の利用は厳禁です。誤って、違法薬物などを持ち帰らないでください。
  4. 日頃からインターネットや短波ラジオでの情報収集に努め、各国の日本大使館より緊急連絡が入るようにする。また、日本の家族、指導教員とメールや電話で密接に連絡してください。
  5. 緊急時には、安全を確保したうえで、京都にいる指導教員に連絡する。状況を判断し、緊急時には教員が中心となって、海外旅行保険会社と密接に連携をとりながら、迅速に対応しています。

上記は、あくまで安全基礎情報として掲載しています。アジア・アフリカ地域研究研究科のウェブサイトにも、海外渡航に係る手続きおよび注意事項、臨地教育マニュアルが掲載されていますのでご確認ください。調査国に特有な事情などもありますので、不明な点については教員から情報を入手してください。

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